火星上のメタンガスの存在は、生命の存在の証拠であると長い間考えられてきた。2018年12月12日、ESAの最新の火星探査ミッションのトレース分析機器では、火星の大気中に痕跡量のメタンが確認できなかったことが波紋を呼んでいる。
ヘルシンキ大学の研究チームはマルチダブレットモデル(2ヒッグスダブレットモデル)と計算機ミュレーションで、「なぜ宇宙には反物質よりも普通の物質が圧倒的に多いのか」という疑問に応えようとしている。このシミュレーションは、ビッグバン以降の宇宙創生条件を調べる新しい方法で、素粒子物理の残された基本的な質問に答えることができると考えられている
仮想的な粒子とミューオンに代表される現実の粒子との相互作用が後者のg因子すなわち磁場中の振る舞いを決めている。ブルックヘブン国立研究所チーム加速器実験で決めたg因子は、精度の高い理論計算のg因子とわずかに異なる。理論計算は現在の素粒子物理に基づいたもので計算や実験誤差より大きい差の存在は素粒子物理の骨子(標準モデル)に関わる大問題である。今後予定されている実験でも有意の差が確認されれば、新しい粒子の存在を検証するものとなり標準モデルの修正が避けられない。
2016年2月12日、米国の重力波望遠鏡LIGOの国際研究チームは重力波の検出に成功したと発表した。今回検出された重力波は2つのブラックホールが引き寄せあい合体して生じたとされている。さらに数ヶ月後に観測結果が再度、確認されて重力波発見の確証が得られた。さらに検出系の改良で次回の観測では最大8個の重力波を観測することが期待される。
NASAは惑星間の宇宙飛行にX線を使う完全自律型ナビゲーションを提案している。SEXTANTと呼ぶ実験でパルサーからのミリ秒パルスが宇宙空間を時速数千キロで移動する宇宙船の位置を正確にモニターできることが示された。その原理は地球上の移動体位置計測に用いられるGPSと同じである。
TV、電話、インターネット回線に使われるほとんどの通信衛星は商用ロケットで打ち上げられ、地球上高高度静止軌道で運用される。しかし高度は徐々に低下してやがては大気圏に突入して燃え尽きる。打ち上げコストもさることながら宇宙ゴミを増やさないために、欧州宇宙局(ESA)は高高度疑似衛星(HAPS)という概念を提案している。
オリオン宇宙船は当初NASAがスペースシャトル代替え有人宇宙船として計画していたが、金融危機後に計画が中止された。計画はISS用に縮小さて復活しロッキード・マーチン社で開発中であったが、2013年に欧州宇宙局(ESA)がオリオン計画に参画し、エアバス社が補給機モジュールを担当することになった。
2011年9月に打ち上げられた中国の軌道上実験モジュール天宮1号(Tiangong-1)は独自に開発している宇宙ステーションのドッキング試験を行うものであった。しかし2013年に最後のドッキング試験を行った後、基地との交信が途絶え制御不能になっている。大気圏突入により大洋上空で燃え尽きさせる予定だったが、制御不良でデブリが陸上に落下する恐れがある 。
ヴァルカン・エアロスペース社が目指すストラト・ローンチ計画では、打ち上げロケットの再利用ではなく、ロケットを高空まで運んで切り離して点火することによって、ロケットエンジンを小型にして燃費も稼ごうというものである。この計画で狙うのは衛星を地球を周回する軌道に乗せるための大型ロケットを吊り下げて運ぶための巨大なジェット機である。
1週間に33万台というEVの受注で1兆円近くのキャッシュを手にしたテスラ社のCEOイーロン・マスクは、スペースX社の再利用型ロケット、ファルコン9の洋上ドローンへの着陸に成功した。陸上基地への帰還は果たしていたファルコン9だが、より困難な洋上ドローンへの着陸には失敗が続いていた。
NASAが計画中の探査機の一つInsight(Inter Exploration using Seismic Investigations, Geodesy and Heat Transport)がデイスカバリー計画の一つとして2016年3月に予定されていた。しかし搭載機器の不備でNASAはInsightの打ち上げを2年延期し、2018年5月に打ち上げることを決めた。Insightでは地中観測を中心とするためフランスの開発した地震計の不具合が致命的であったため延期を決定した。
ハッブル望遠鏡は初期の技術的問題を解決し、宇宙で改良作業を受けて性能向上に成功したことで高分解能画像を得ることができた。ハッブル望遠鏡の後継機として2018年に上図の中央に示されたより口径の大きい(6.5m)マルチミラーのジェームズ・ウエッブ宇宙望遠鏡(JWST)が打ち上げを予定されている。
10年以上にわたり重力波を追い続けた研究者たちはようやく発見・確認という最終章にたどり着くようだ。アインシュタインが提案する重力波の存在は光に近い速度で衝突するブラックホールの衝突によって生成された時空の変調を観測したことで確認される日が近い。
NASAが月に人類を送ってから惑星探査とISSが中心になり、人類共通のミッションとして火星探査が活発化している。NASAは火星ミッションに関する報告書をまとめたが長期間の火星滞在で必要になる食料の自給体制や結構管理など具体的なインフラ構築の推進を訴えている。NASAが力をいれる理由は火星だけではなく将来の惑星間移住の先駆けと考えているからである。
2015年11月に国連安全保障会議の決議を無視してイランが中距離弾道ミサイルの発射実験を行ったことがわかった。核弾頭を積載可能な射程1,800-2,000kmのChadr-110型ミサイルはShahab 3の改良型でイランが10月に行った精密誘導ミサイルと似た仕様のもの。米国国連大使が強く非難するとともに国連安全保障会議も重大な決議違反としている。
地球を取り巻く無数のデブリ(宇宙船や衛星の破片)のなかでWT1190Fと呼ばれるものが、よりによって13日の金曜日に地球に落下することが話題となっている。この「宇宙のゴミ」の起源は打ち上げに使うロケットだった。
米国のプラズマ物理学者John Brandenburgによれば全ての国が核不拡散を徹底しても、エイリアンの水爆攻撃で地球が滅亡するシナリオは否定できないという。
火星移住が現実的な課題となっていることは、裏を返せば地球に長期間の宇宙旅行を上回るリスクが高くなって来たことを意味するのだろうか。
Elon Musk, Paul Allen, Jeffrey Bezos, Richard Branson,これらの名前に共通することは、一体なんだろうか。EV、ITなど業種は違うが、新規ビジネスの創業者で成功したあと、新たな展開を求めてきた。
SF映画「インターステラー」は食糧難で人類が絶滅に瀕した地球から、惑星間宇宙飛行で新天地の惑星に移住しようとする試みを描いている。
打ち上げから1年以上(469日)地球を周回した無人スペースシャトルX-37Bが16日、米カリフォルニア州西部のバンデンバーグ空軍基地に帰還した。
ヴァージンギャラクテイックのリチャードブランソンは機体メーカーのスケールドコンポジットのバートルータンと組んで開発し、これまでの宇宙飛行より100倍安全と豪語していたスペースシップ2が母機から離れてロケット飛行に入ってすぐ、空中分解し墜落した。
オー ビタルサイエンシズコーポレーションはバージニア州が拠点の宇宙ビジネスの代表的な企業で、アンタレスロケットに積み込まれた無人のシグナス補給船ごと、 打ち上げ開始から数秒でロケットエンジンの燃焼異常で推力が落ち、爆発し発射台に墜落したのは、NASAと商業補給サービスでISSへ8回の荷物運搬業務 を19億ドルで契約中の出来事であった。
デルタはアメリカの商用通信衛星や気象衛星、科学観測用の衛星を打ち上げるための多用途汎用ロケットシリーズで、これまでに300機以上が打ち上げられている。
ロ シアの予算打ち切りで2010年に運用打ち切りとされていたISS国際宇宙ステーションが2024年まで延長にロシアが合意した。ロシアの宇宙ステーショ ン建設は独立して進めるとみられているが、延長の合意にはウクライナ問題での制裁と原油価格の下落で財政へのダメージが大きいことによることは確かだ。
ウクラ イナ問題は根が深い。ロシア制裁のあおりを受け天然ガス供給、原油価格問題、イラン核開発などエネルギー問題への影響に加えて、アメリカのロケット製造に も関わる問題が浮上している。アトラスVは寿命の長いロケットでロッキードマーテインの傑作だ。アトラスVの燃料はケロシンと酸化剤は液体酸素という定番 であることも信頼性に寄与している。
イーロンマスク率いるスペースX社のファルコン9で宇宙気象観測衛星「Deep Space Climate Observatory(DSCOVR)」が打ち上げに成功した。DSCOVRはどのようなミッションなのだろうか
太陽黒点がほとんど観測されなかった2018年は、11年周期の太陽活動が衰退し太陽極小期を迎えていることを示している。地球上の高空の温度変化は、気候変動を含む地球上の気象に大きな影響を与える可能性は低い考えがちだが、NASAは地球の大気の変化を計測する衛星観測に基づいて、黒点の欠如が地球の寒冷気候に結びつく恐れがあるとして警告している。地球の大気中の粒子運動エネルギーを上昇させ地球を加熱する紫外線が減少し地球が冷却されるからである。
CERNの大型ハドロンコライダー(LHC)による発見から6年後、ヒッグスボゾンのボトムクォークとして知られる基本粒子への崩壊が初めて観察された。LHCでの二つの検出器チーム、ATLASとCMSによる今回の発見は、ヒッグスボゾンの背後にある量子場(ヒッグス場)がボトムクォークにも質量を与えるという仮説と整合することが示されたことになる。
今年2月にスペースXは、ファルコン・ヘビーロケットで火星の周回軌道にテスラEVを打ち上げることで、火星移住ミッションへの一歩を踏み出した。一方、火星の地下に塩水湖が発見され火星に生命体が存在する可能性が出てきた。湖は南極極冠の1.5km下にあり、直径は少なくとも20kmになる。
近未来人類は巨大な円筒形の宇宙船で、4人の宇宙飛行士を収容し、深宇宙へ送り込むことになる。ロッキード・マーチン社は、NASAとの契約に基づいた深宇宙飛行の宇宙飛行士の居住区モデルをケネディ宇宙センター公開した。
暗黒物質は現代物理学と天体物理学において重要な課題であるが、基本的なことすらまだわかっていない。マックスプランク研究所の研究チームはこのほど、暗黒物質と物質との相互作用を理解するために、超高密度星を使用する新しい実験を提案した(Shao et al., Phys. Rev. Lett. 120, 241104, 2018)。
地球の磁場は、地球の対流液体鉄の外側コアに起因するが極点の移動速度が近年加速していることから、これが磁場逆転の前兆と捉える説が浮上した。地球磁場は有害な太陽放射から地球表面を保護しており、これは地球上の生命が維持されるために、不可欠な存在であるため、磁場逆転に伴う磁場変化は地球に深刻な影響を与えるため、磁場逆転の恐怖を誘うこととなった。
極微の世界と大宇宙はどう繋がっているのかという問題は多くの物理学者が頭を悩ましてきた問題だが、両者の統一的理解を目指す理論が進展してきた背景には天文観測や加速器実験のデータの蓄積があることは明らかだである。ホーキング博士の死去は大きな損失だが、アインシュタインやホーキング博士の気はてぬ夢は大型加速器と重力は観測による検証で完結章に向かっている。
火星をはじめとする太陽系外惑星探査計画の一環として、NASAは月基地の建設を進めている。ロシアはNASAが進める月基地建設計画に積極的に協力して月基地開発と運用を共同で行うことで合意した
NASAのハッブル宇宙望遠鏡が軌道上に投入されてから30年が経過した。これまに観測された距離の10倍外側の銀河間距離と基準となる恒星の距離が計測され、ハッブル定数(宇宙定数)と呼ばれる宇宙の膨張の目安となる数値が決められた。この期間に集められた膨大な宇宙画像データによって、宇宙の膨張が確認された。
南極の氷床でニュートリノを観測しているIceCubeニュートリノ観測所(注1)の国際研究チームは2013年に銀河系外起源のニュートリノの証拠となる高エネルギー事象を初めて観測したと発表し、世界中の理論物理研究者の注目を集めた。
米国が警戒するのは射程に米国東海岸とロシア、東欧、中東の大部分が含まれる長距離弾道ミサイルのテポドン2及びKN-08(ノドンC)。KN-08は2012年に軍事パレードで登場している。最近加わった新たな脅威が、潜水艦発射が可能な中距離弾道ミサイル北極星1号(KN-11)とその改良型である北極星2号(KN-15)とはどのようなミサイルなのか。
中国は技術立国を目指して高速鉄道、航空機産業、原子力産業などの分野に積極的な投資を行っている。このほど世界最大となる直径500mの電波望遠鏡を完成した。FASTと呼ばれる巨大な望遠鏡の目的は地球外生命体の調査とされている。
地球上の軌道からγ線を観測するNASAのフェルミ望遠鏡によって銀河系内に存在する暗黒物質の証拠が得られた。暗黒物質からの信号は銀河中心からのγ線として観測され、これまで知られているどの天体にも見られない弱い相互作用と質量を持つ粒子で矛盾無く説明できることがわかった。
中国は2016年8月に世界初の量子暗号通信を打ち上げ、この分野で一気に世界の先端に躍り出た。今度は中国初の宇宙実験室を打ち上げたがそこで予定されている実験の中には(米国の後追いでない)独創的なものがあり、宇宙開発で存在感を示している
T2K実験は2014年より反ニュートリノ生成実験を開始、2016年5月までにニュートリノ実験と同量の実験データを蓄積し、両方の結果を比較した結果、スーパーカミオカンデで計測した電子型ニュートリノがCP対称性の破れがない場合の33%大きい値となった。詳細なデータ解析と他実験の比較により、「ニュートリノと反ニュートリノで電子型ニュートリノ出現が同じ確率で起こる」ことは90%の確率で否定できることが示された。
2008年9月30日に太陽黒点の研究者たちはは2008年が「太陽無黒点の年」となることを発表した。「太陽無黒点の年」とは連続200日以上、黒点が観測されない年のことである。2008年より太陽に黒点が無い期間が続いた年は1954年にさかのぼる。
我々の知る宇宙には様々な元素と化合物が存在するが、最初は限られた元素の「混沌としたスープ」(水素とヘリウムのイオンと電子のプラズマ)しか存在していなかった。数千万年後に原始宇宙が作られてから他の元素が形成されたと考えられている。大阪産業大学グループが地球から一番遠くにある星雲に、宇宙最古とみられる酸素を発見した。
検証がなされてなかった第5の力(相互作用)が実証されたと考える研究結果が報告され、これまでの4つの相互作用(重力、電磁気力、強い相互作用、弱い相互作用)に新しい相互作用が加えられることとなった。これによって宇宙の理解がより完全な枠組みのもとで進むものと期待され
メキシコにある巨大な電波望遠鏡(LMT)を使ってマサチューセッツ大学の研究チームが新しい「極超輝度の銀河」を発見した。この銀河はこれまで発見された最強輝度の巨大銀河で、正式な名前もまだつけられていない。
希望者が殺到する火星移住計画は、片道18カ月という従来型ロケットがネックであった。ロシアは原子炉をエネルギー源とした衛星を打ち上げてきたが、この度国営の原子力企業、ロスアトムが原子力ロケットエンジンを開発し火星までの宇宙飛行の時間を6週間に短縮する技術開発を開始した。
NASAは2013 TX68と呼ばれる小惑星が地球との衝突軌道にあり接近中であることを伝えた。この小惑星の最接近は2017年でその確率は2億5千万分の1ということなのだが、誤差も大き炒め気になるところだ。2013 TX68は3月8日にも地球をかすめる。今回は衝突の危険性はないが2017年の接近ではわずかながら衝突の危険性があるという
ヴァージン・ギャラクテイック社の民間宇宙飛行のための宇宙船が関係者らに披露された。ホーキング博士はビデオでヴァージン社CEOのリチャード・ブランソンの手がける宇宙旅行企画を「これで我々人類は新たな宇宙時代に入る」とするメッセージを送り、” VSS Unity”と名付けられた同社のスペースシップ2の門出を祝福した。
Planet Xと呼ばれる太陽系の9番目の惑星の実在は冥王星の外側にあるとされてきたが、このほどカルテックの研究チームによって冥王星よりずっと大きい質量を持つPlanet Xが冥王星の外側に存在することを明らかにした。
Facon9はイーロン・マスク率いるスペースX社がISSに物資を届けるドラゴン補給船を打ち上げるために開発した「再利用ロケット」である。これまで再利用のための1段目を垂直に着陸させる試みが難航していたが、このほど垂直に着陸することに成功した。
火星には水があることがわかり、有人探査や移住計画の現実度が上がった。水があればエネルギーを太陽から得て、酸素をつくれるからだ。
打ち上げロケットの垂直着陸による回収の試みで失敗続きのイーロンマスク率いるスペースX社を尻目に、アマゾン設立者のジェフ・ベゾスが100kmという低高度の宇宙旅行を商業ベースに乗せるために設立したブルー・オリジン社は目標とする100kmの弾道飛行と打ち上げロケットの垂直着陸に成功した。
CMSが次に狙うのは世界最大のエネルギーで陽子ビームを衝突させて飛び出してくる粒子を観測することである。これによりSUSYヒッグス、超対称粒子、など新粒子を発見できる可能性がある。150,000回の陽子衝突実験で22個の荷電粒子(ハドロン)が観測されたが、バックグラウンドと区別するためにさらに実験を重ねる予定である。
2014年にハーバード大学の物理学者が薄いデイスク状の暗黒物質がその巨大な引力で彗星の軌道を曲げ、太陽系の惑星に影響を与えるかについての研究を発表した。彗星は一定周期で地球などの惑星に接近することによって、地球に恐竜絶滅を含む周期的なカタストロフイをもたらす可能性があるという。
航空機や大型ロケットの分野においてコストを追求すれば外国製品の購入ということになるが、最近ようやくという印象が強いが強気の発想、つまりオール国産化に向けての動きが見えて来た。
昨年にIMAXシアターで公開された日本でのタイトル「ゼログラビテイ(オリジナルはGRAVITY)」は宇宙ステーションで作業中の米国宇宙飛行士が、宇宙ゴミの衝突で危機となるが、他国のロケットに乗り換えて地球に生還する、というストーリーであった。
米国NASAのオリオン宇宙船については記事をかいたが、究極的な目的は有人による火星探査である。また無人探査のために、NASAは火星探査機MAVEN(Mars Atmosphere and Volatile EvolutioN)を打ち上げ、2014年9月に火星に到達した。
EELV(Evolved Expendable Launch Vehicle)とは何か。まさにデフレ時代の申し子、使い捨てでコストを最低限に抑えたロケットシリーズである。膨大な燃料を消費し開発、製作、打ち上げ、回収、どれをとってもコストのかかるロケット産業でも長引く経済不況の影響は例外ではなかった。
インドの超低予算火星探査機についてはすでにかいた。計測系を簡素化し軽量化したことが低コスト化の鍵であった。一方、米国NASAが官学民の総力を結集した火星探査機フェニックスは何を狙っているのだろうか。
イーロンマスク率いるスペースX社の再利用ロケットファルコン9は回収に失敗した。その様子は動画で公開されている。イーロンマスクが惜しい、と表現するように確かに、ロケットは垂直にパッドに降りて来て、まさに着陸寸前に傾いて激突する。
ロケッ ト打ち上げのコスト削減に最も効果があるのは1段目と2段目ロケットを回収し、"Expedables"から"Reusables"にすることである。ス ペースX社の野心的なアイデアはドラゴン補給船を打ち上げるファルコンロケットの1段目、2段目を帰還させ再利用することだ。
ドラゴン宇宙船の打ち上げ延期のニュースに関連して、ファルコン9打ち上げ延期というタイトルでの報道もあり、宇宙ビジネスの記事でもとりあげたがややこしいのでここで簡単に説明する。