欧州ワクチン後の有害事象と副作用報告

2021/4/19

 

 米国でワクチン接種後の有害事象や副作用を報告しているVAERS(ワクチン有害事象報告システム、Vaccine Adverse Reporting System:VAERS)に匹敵するEudoraVigilanceシステムが欧州にもある。2021年4月10までの報告によると欧州で緊急使用承認を得ている4種類のCovid-19ワクチン(モデルナ、ファイザー、アストラゼネカ、ジョンソンアンンドジョンソン)による死亡者を含む有害事象や副作用は299,065件であった。

 

 欧州医薬品庁が2012年に立ち上げたEudoraVigilanceシステムは、EU加盟国の一般市民、患者、医療機関、研究機関、国の医薬品規制当局、医薬品業界に医薬品の安全性をモニター、評価するものとして、ワクチンの有害事象や副作用の報告を公開している。

 

 米国で報告されたワクチン後の有害事象や副作用は欧州でも同様に継続的に増加している。欧州加盟国から報告された有害事象は299,065件のうち6,662件が死亡であった。発表された4月10日までのデータによると

  • 14,727件の血液とリンパ系の障害、うち87件の死亡
  • 12,345件の心臓障害、うち767件の死亡
  • 112件の先天性、遺伝性疾患、うち4件の死亡
  • 7,782件の耳、内耳膜迷路の障害、うち2件の死亡
  • 232件の分泌機能障害、うち2件の死亡
  • 10,445件の眼疾患、うち11件の死亡
  • 81,068件の胃腸障害、うち303件の死亡
  • 221,073件の一般的障害と投与部位に問題、うち2,437件の死亡
  • 243件の肝胆道系疾患、うち22件の死亡
  • 2,183件の免疫系疾患、うち21件の死亡
  • 18,344件の感染症、うち185件の死亡
  • 6,906件の負傷、中毒、処置上の合併症、うち113件の死亡
  • 14,765件の検査
  • 8,704件の代謝、栄養障害、うち122件の死亡
  • 121,621件の筋骨格、結合組織の障害、うち84件の死亡
  • 245件の悪性や不特定の嚢胞、ポリープなどの発生、うち15件の死亡
  • 157,363件の神経系疾患、うち682件の死亡
  • 265件の妊娠、出産に伴う障害、うち6件の死亡
  • 9,095件の精神系障害、うち89件の死亡
  • 2,476件の腎臓と泌尿器の障害、うち83件の死亡
  • 2,221件の生殖器系と乳房系の障害、うち2件の死亡
  • 15,011件の呼吸器系、縦隔疾患、うち699件の死亡
  • 34,970件の皮膚、皮下組織の障害、うち56件の死亡
  • 512件の外科的や医療処置による障害、うち22件の死亡
  • 13,999件の血管障害、うち250件の死亡

 一般的に報道されているワクチン後の腕の痛み、倦怠感、頭痛、微熱などの症状とは別に、ワクチンによる有害事象や重篤な副作用が起きている。欧州のEudoraVigilanceもVAERS と同様、被害の報告義務がないため、実情を把握することはできないが、これほどの広範囲に渡る有害事象や重篤な副作用はワクチンの安全性上の検証を必要とするものである。