新種コロナウルイス感染拡大の可能性 Part 2

英インペリアル・カレッジ・ロンドン研究チームによる感染者推定

21.01.2020

Photo : pxhere.com

 

 英インペリアル・カレッジ・ロンドン研究チームは17日、1月12日までに新型コロナウイルスの感染者は中国当局の公式発表よりはるかに多い、1,723人に達している可能性の研究結果を発表した。

 

以下が研究調査の概要

 

調査方法

 以下の仮定に基づいで感染者数が算出された。

  1. 武漢国際空港の利用者数は1,900万人。
     
  2. 感染と検出の間は平均10日で、そのうち5~6日は潜伏期間、症状の発症から症例の検出又は入院まで4~5日の時間経過。タイと日本で検出された感染者はそれぞれ発症後3日と7日で入院している。
     
  3. 過去2月間に武漢から海外旅行に渡航した人は1日あたり3,301人。この数値は2018年のIATAデータに基づく(上位20カ国の目的地で1日あたり3,418人の外国人乗客数に基づいているが、旧正月期間を含むため、旧正月期間を除く調整を行った)。

感度分析

以下の仮定に対する合計症例の推定値の感度分析を行った。

  1. 検出されるまでの期間を8日の短い期間で調査。
     
  2. 武漢国際空港の利用者数を1,900万人ではなく、武漢市の人口の1,100万人で調査。
     
  3. 国際的に報告されている感染例。

 

ベースラインの仮定と代替シナリオによる推定症例数

 

 ベースラインの仮定と4つの代替シナリオによると、感染者数は少なくて190人、最大で5,590人との推定を出した。ベースラインの感染者1,723人では最大で4,471人の感染者数が推定される。中国当局の正式発表との大きな差は、症状の軽い感染者が症例に含まれていない可能性があるとした。調査チームは今後監視の強化、中国当局の迅速な情報提供、準備態勢の整備を呼びかけている。