WHOがスマートフォンとオーデイオ機器の健康被害を警告

13.02.2019

Photo: freemalaysiatoday.com

 

WHOはスマートフォンやオーディオ機器の過剰使用で、10億人以上の若者が聴覚障害を起こす危険性があるとして新しい安全基準を提案し、電磁波健康被害リスクを警告した。聴覚を保護するために、WHOと国際電気通信連合はオーディオ機器の製造と使用に関する拘束力のない国際規格を発表した。WHOは先に電磁波による健康被害を認めており、スマートフォンやWiFi機器についても過剰使用を警告している。

 

WHOによると、12歳から35歳までの人口の約半分にあたる11億人がオーディオ機器で大音量サウンドに晒され発症すると回復しない聴覚障害のリスクがある。現在、全世界人口の約5パーセント、つまり3400万人の子供を含む約4億6,600万人が聴覚障害を持っている。

 

WHOによれは、オーディオ機器の危険な使用で聴覚を損傷したかの判定は難しいが、新しい安全基準は、若年層の聴覚障害を防ぐのに役立つとしている。WHOは、85デシベル以上8時間、100デシベル以上15分間を危険と見なしている。

 

セーフリスニングデバイスおよびシステム規格は、すべてのオーディオデバイスに含まれる「サウンド許容」ソフトウェアを要求し、音量レベルとユーザーのサウンドの持続時間を追跡し、聴覚に及ぼすリスクを評価する。危険なリスニングを検知すると、このシステムはユーザーに警告する。

WHOは、危険な使用を防ぐために、ペアレンタルおよびオーディオデバイスの自動音量調節も求めている。いくつかのスマートフォンや他のオーディオ機器はすでにこれらの機能のいくつかを提供しているが、WHOは聴覚障害を防ぐための統一規格を望んでいる

WHOが警告するスマートフォンの過剰使用などで引き起こされる電磁波による健康被害を以下の通り。

 

癌発症リスク

携帯電話からのRF放射線への曝露と頭部がん(神経膠腫および聴神経腫)との関連性に関する疫学的証拠に基づいて、高周波は国際癌研究機関によって発がん性があると分類されている(グループ2B)。 

 

その他の健康への影響

脳の活動への悪影響、視力障害、不眠症など、携帯電話を使用することによる健康への影響が報告されている。 

 

しかし4Gのアップグレード(スモールセル)やミリ波(5G本格運用)では、現在のネットワークインフラとは比較にならないほど電磁波が飛び交う環境になるが、そのリスクについてはWHOの警告はない。