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米国が経済制裁を増加させる理由

 

米国は、世界で最も対外政策の一つとして経済・金融制裁を多く発動している国である。現在、財務省の外国資産管理室(OFAC)の管理下で発動している経済・金融制裁は19カ国を対象に全部で26件にのぼる。年々増える経済制裁は世界の超大国としてのアメリカの影響力の低下を反映しているとも言える。

10.08.2017


最新記事

Week of 14.08.2017

マイナス金利政策が具体化する可能性

前世界銀行のチーフ・エコノミストで現ハーバード大学教授のケネス・ロゴフ氏は、最新の論文で、次の不況又は金融危機時には中央銀行が取れる最も有効な金融政策はマイナス金利政策で、その導入を可能とする条件、法整備を今から整えることの必要性を主張している。

18.08.2017

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急増するロシアの仮想通貨マイニングビジネス

ロシアでは仮想通貨のマイニング(採掘)を行う若者が増えている。数学とプログラミングに秀でた若者層が熱いロシアならではの背景があるが、彼らは現在流通している通貨(システム)がやがては、仮想通貨に置き換えられると考えている。

17.08.2017

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EV化で電力不足が深刻に~2040年までに原発10基分

EV化へのシフトにある背景は国により様々であるが、英国の場合にはGDP1%に匹敵する健康被害がある。この問題は世界中で加速する都市化を鈍化することにもなりかねない。英国の環境相マイケル・ゴブ氏は健康被害の廃絶のためにICE廃絶以外の道はないとする一方で、現在の発電能力のままは電力不足となるとしている。

15.08.2017

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速報:北朝鮮にSLBM発射実験へ向けた新たな動き

8月11日、北朝鮮が潜水艦発射の核ミサイル開発が急ピッチで進んでいるとする北朝鮮の衛星イメージの分析結果を38 Northが公表した。世界の関心は北朝鮮がグアム島に向けて8月中旬以降に発射する見られる中距離弾道ミサイル(火星12)と米国の対応にある中で、陽動作戦ともとれる潜水艦発射の核ミサイル開発が進行している事実が明らかになった。

12.08.2017

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オピオイドに代わる新しい強力鎮痛剤UKH-1114

テキサス大学オースチン校の研究グループは従来は知られていなかった痛み信号伝達系に働く強力な鎮痛剤UKH-1114を発見した(ACS Chemical Neuroscience, 2017; 8 (8): 1801)。研究グループはマウス実験で従来の鎮痛剤(てんかん・発作で投与されるガバペンチン)よりも長時間効果を持続することを確認した。

17.08.2017

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代謝酵素を標的とした新しい膵臓癌治療法

肥満人口の増加と共に増加の傾向にある膵臓癌は癌死亡原因の3位であり、5年後の生存率は8-9%である。ボストン小児病院とMIT、ハーバード大学の研究チームはがん細胞が窒素を除くために使う酵素を標的とした新しい膵臓癌治療法を提唱している(Kalaany et al., Nature Comm. On line Aug. 15 (2017))。

16.08.2017

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体内時計と老化の関係が明らかに

カリフォルニア大学の研究グループの老化が体内時計が関わる代謝のメカニズムに与える効果を調べた研究で、細胞の代謝と関わりが深い概日リズムすなわち体内時計が、生理的な老化に伴って変化することがわかった。また研究グループは低カロリーダイエットが正常なエネルギー代謝の維持と老化防止に役立つことを明らかした(Sato et al., Cell, 170, 664 (2017))。

11.08.2017

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ビッグデータ活用で明らかになる新しい疾病相関

シカゴ大学の研究グループが、米国の人口の1/3に当たる健康保険の請求者ビッグデータから(128,989家族、481,657人)抽出して、149の疾病を対象に遺伝的及び環境的因子を解析し疾病相関を調べた。大多数に遺伝子因子が認められ、その一部は従来の疾病分類と整合しない新たな遺伝的疾患との類似性が見つかった。

09.08.2017

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   最近の記事

Week of  07.08.2017

米国が経済制裁を増加させる理由

米国は、世界で最も対外政策の一つとして経済・金融制裁を多く発動している国である。現在、財務省の外国資産管理室(OFAC)の管理下で発動している経済・金融制裁は19カ国を対象に全部で26件にのぼる。年々増える経済制裁は世界の超大国としてのアメリカの影響力の低下を反映しているとも言える。

10.08.2017

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北朝鮮が標的をグアムに定める理由

北朝鮮は米国戦略爆撃機の基地で軍人人口の多いグアムを先制核攻撃を考慮していることを認めた。ニューヨークポスト紙によれば、北朝鮮の国営新聞は8月9日、北朝鮮がトランプ政権の対北戦略を挑発行為と受け止めこれに対抗するため、中距離弾道ミサイルでのグアム攻撃を考慮していると述べた。

09.08.2017

Updated 10.08.2017

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米国債を買い支える巨大IT企業の思惑

2016年の11月から米国債の保有国の保有残高が増えている。米国債の売却が加速傾向にあったが、日本、ロシア、中国、サウジアラビアやBRICS諸国などによって再び買われている。米国債の保有の増加は、民間の米国企業の間でも増加傾向にある。特に、注目されるのがアップル社の526億ドル相当(5.8兆円)の保有残高である。

07.08.2017

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デイーゼル車の将来をドイツ政府とメーカーが協議

デイーゼル車の排ガスによる健康被害が無視できないことが認識されるようになり、VW以外の大手メーカー(ダイムラー・ベンツ、BMW)に波及したデイーゼルゲート問題、大手3社のカルテル疑惑と不祥事が続いた。このためデイーゼル車の将来の廃止へ向けて、7月3日にドイツの大手自動車メーカーの幹部は政府関係者とデイーゼルエンジンの将来について話し合う。

03.08.2017

Updated 04.08.2017

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銀行救済のため預金凍結を検討するEU

2017年に入り、金融機関の経営破綻の恐れなどによる信用不安から、預金者による取り付け騒ぎが起きないための措置がEU諸国の間で検討されてきた。6月のスペインの銀行バンコ・ポピュラールの取り付け騒ぎが、急速な流動性の悪化を招き、銀行の破綻を早めたことが、措置の早急導入の検討となっている。

02.08.2017

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EVだけに未来を託せない理由

テスラEVの目覚しい躍進は欧州の大手自動車メーカーの本格参入を促すきっかけとなった。一方でデイーゼルゲートを契機にドイツ、フランス、英国では2030-2040年を目処に、法的規制で内燃機関(ICE)の廃止を目指す動きが活発化した。後者はやがてEU全体の流れとなるとみられ、磐石を誇ってきたICE社会にゲームチェンジャーが登場したかのような印象さえある。しかし一方ではEVに関しては賛否両論が渦巻き、EVの未来に懐疑的な見方が消えたわけではない。

30.07.2017

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対ロシア制裁で孤立を深める米国

ウクライナ問題で西側諸国が2014年に初めて対ロシア経済制裁を発動して以来、3回目の制裁延長が7月末に終了した。アメリカは25日にロシアが去年の大統領選に関与したとされる問題で、新たな制裁強化を科す法案を、上院に続き議会下院でも可決した。しかし、これまでロシアへの制裁に協調してきたEU(特にドイツ)は制裁への強い反対姿勢を表明し26日には、対ロシア経済制裁がEUのエネルギー投資を制限、ヨーロッパの企業や経済に影響を与えるとして、対抗措置を講じると警告している。

29.07.2017

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英国が2040年からデイーゼルとガソリンの販売を禁止

英国は大気中のNOxによる健康被害を認め2040年にICE (Internal Conbastion Engine)と呼ばれる内燃機関の自動車販売を禁止するとともに燃料(デイーゼルとガソリン)販売を禁止する。

27.07.2017

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深刻化する都会の社会的孤立と孤独感

ブリガム・ヤング大学の研究グループは、都会の社会的孤立と孤独感による精神疾患が増大する一方で深刻化していることを明らかにした(心理学会2017年会)。「人とのつながり」は快適な人間活動ばかりか生存(共存)に不可欠である。極端な場合には人(親)の保育を受けられない幼児は死に至る。研究では米国の社会的孤立と孤独感を感じる人たちの増大が深刻化している。

07.08.2017

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テスラEVのターニングポイントとなるモデル3

モデル3の販売でテスラEVは量産自動車メーカーの仲間入りを果たす。量産メーカーとなることでテスラ社はニッチ路線と決別するがそれは同時に大手自動車メーカー共通の価格競争と薄利多売の土俵に立つことになる。はっきりしていることは同社にとって、モデル3がターニングポイントになることだが、その後の成長については期待と同時に不安要素を抱えている。

02.08.2017

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室温でナノレーザー発振に成功

アリゾナ州立大学と中国の北京大学の研究グループがシリコンナノビーム空洞上の単原子膜を使って室温でナノレーザー発振させることに成功した(Li et al., Nature Nanotechnology online July 17, 2017)。将来的にはICチップに組み込まれて計算機間の直接的な情報通信が可能になると期待されている。

31.07.2017

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テスラEVのバッテリーが高寿命である理由

テスラEVのバッテリー容量劣化測定データがテスラフリークやユーザーコミュニテイのウエブで公表されている。テスラEVのバッテリーはパナソニックセルの集合体であり、セルごとのきめ細かい管理システムが特徴であるが、その組み合わせが全体の信頼性を高めることになるのか興味深い。

28.07.2017

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ドラッグデリバリでスパイスが癌細胞を死滅させる

クルクミンはウコン(ターメリック)などのスパイスに含まれるポリフェノール化合物だが、ナノ粒子によるドラッグデリバリによって癌細胞を死滅させる働きがあることが最新の研究によって明らかになった(Kalashinikova et al., Nanoscale, June 09 (2017))。

26.07.2017

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人体の動きで発電する極薄膜デバイス

人間が動き回ることで発電し充電が可能であれば携帯端末のバッテリー充電に気を使う必要もなければ、電気のない野外でも不便はない。ヴァンダービルト大学の研究グループは発電機能を持つ上着やスカート、シャツで発電を可能とする黒リン極薄膜発電デバイスの研究開発に成功した(ACS Energy Lett., 2017, 2, 1797)。

24.07.2017

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大気中のCO2からカーボンニュートラル燃料を製造

フランスのパリ大学とアルゼンチンのコルドバ大学の研究グループはCO2からメタンを製造するカーボンニュートラル燃料製造技術を開発した(Rao et al., Nature online July 17, 2017)。新しい手法ではアセトニトリルに溶かした CO2をトリメチルアンモニアで修飾した鉄ポルフイリン触媒により太陽光照射下でメタンに還元される。

22.07.2017

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T  R  U  T  H  in trends

トレンドの裏側にある真実 

メルセデス・ベンツが300万台リコール〜 デイーゼルゲート第2章

 

VW社の排ガス規制不正に端を発するデイーゼルゲートはメルセデス・ベンツ社の不正に焦点が移り、排ガス不正で調査中にある同社は7月18日に欧州の300万台以上のデイーゼル車を対象としたリコールを発表した。

他車種に対して改良作業を実施している同社は同様の処置を他車種300万台に拡張することを決定した。シュツットガルトに本社を置くメルセデス・ベンツ社の損失は2.2億ユーロ(約2,900億円)となる。


TECHNOLOGY with IMPACT

 社会を変える注目技術

大気中のCO2からカーボンニュートラル燃料を製造

 

カーボンニュートラル燃料とはもともと地球上に存在する炭素サイクルの一部から燃料(メタノール)を合成して、燃料とすることで炭素サイクルに影響を与えない燃料のことである。これまで穀物からメタノールを合成するバイオマスが代表格であったが、バイオマスの全プロセスを考慮するとカーボンニュートラルとは言えなくなることと環境保全の観点で、大気中のCO2を固定して燃料を合成する技術が本命視されるようになった。


 

Pick Up TRENDS 

特集コラム 

欧州銀行危機

欧州銀行監督局(EBA)によるEU加盟国の大手51の銀行を対象にしたストレス・テスト(健全性審査)の結果が29日公表される前に、ドイツ銀行の2四半期決算が発表された。純利益、経常収益は大幅に減少して破綻危機が始まっている。これから先、ドイツ銀行が抱えているデリバティブ商品の一部が満期を迎えていることで、破綻が加速する可能性が高い。イタリア銀行の不良債権処理についても、再建案へ政府の関与を巡り政治的混乱が生じている。

活発化する欧州再編成への動き

財政的には不利とされるにもかかわらず、EU離脱に英国民の多くが同調する原因は労働者の機会不均等と不満によるところが大きい。移民の雇用率は英国市民より高水準にあり、EUからの移民に特別の優遇政策がとられていることへの国民の不満が高まっている。EU離脱により移民が出身国に依存しない雇用機会を得る「公平性」が実現する。移民政策や対ロシア制裁による交易の落ち込みなど、EUの政策と国内政策が矛盾する事例が相次ぎEUの結束力が弱まる一方である。

欧州の難民危機

シリアを筆頭に中東の難民は戦争で生命を危険にさらされて欧州に避難したというのは間違いである。10,000人への聞き込み調査によれば、戦争から逃避してきた難民は全体のわずか13.7%にすぎない。ほとんどの難民は経済的理由、すなわち安定な就職先を求めて、欧州への移住を希望している。しかし欧州への移民・難民は各国の扱える範囲を大幅に超え国民に不安を与え、社会・経済を混乱させるに至った。移民・難民の急激な増加で欧州の不安定性が増大し、多様性の受け入れに危惧を持つ国民が増え結果的にEUの結束力が弱まった。


エネルギー科学最前線

大気中の二酸化炭素は温暖化の原因とされ、その排出量規制を巡り世界中の国と企業が血眼になって低減策を模索している。排出量規制に歯止めがかからないため、大気中のCO2を取り込み植物に習って光合成を人工的に行うことにより、空気中の炭素から燃料(アルコール)を合成する研究開発が活発化している化石燃料が欠乏しこれまで期待の大きかった原子力エネルギーとバイオマス・エネルギーが失速して、2050年に倍増するエネルギー需要を満たすことが難しくなってきたからである。そのため原子力から核融合実用炉への移行と、大気中のCO2を使って人工燃料とする人工光合成の研究が期待されている。

遺伝子工学的先端治療法

近年、遺伝子工学的先端治療法の進捗が著しい。各国で重要性が認識され基礎科学の最重要課題の一つとして潤沢な研究開発資金が注ぎ込まれた結果、成果が出始めている。英国癌研究所、ケンブリッジ大学、ダブリン大学の研究チームがこのほど有糸分裂時にBuBR1と呼ばれる酵素蛋白が癌細胞の細胞分裂時に攻撃して破壊することを発見した。BuBR1分子が染色体を複製して細胞分裂した細胞が未熟な状態に置かれ死滅することを見出した(Molecular Cell December 8, 2016)。

期待される先端デバイス

実用化が近い先端デバイスを紹介する。英国ブリストル大学のキャボット研究所の研究グループは高レベル放射性廃棄物から5,000年間電力を供給できる半永久バッテリーを製造する技術を発表した。研究チームは黒鉛型原子炉の使用済み核燃料棒の炭素から、半永久的な寿命を持つダイアモンド・バッテリーが製造できる。ダイアモンドは室温量子計算機素子の材料としても注目されている。またカーボンナノチューブのICチップ実用化も近い。21世紀はカーボンデバイスの世紀となる可能性が高くなった。



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