H E A D L I N E 

ヘッドライン

暴徒化するパリの抗議デモ

 

2月2日にパリで起きた、パリ警察の警官による移民の逮捕者への性的暴行がきっかけとなり、続いている抗議デモは16日には、パリ中心部まで飛び火した。パリメトロのパルペス駅周囲で抗議デモは暴動化、周囲のビル、商店やゴミ用容器に放火、商店のガラスを割り、略奪、警官隊への激しい攻撃を行った。12~15日の4日間だけで車79台が放火され、状況は悪化していると仏フィガロ紙は伝えている。

 

 パルペス駅は、ユーロスター、TGV発着駅でメトロ4号線、5号線と近郊列車が乗り入れるパリ北駅に近い。また近くには観光名所の一つであるサクレ・クール寺院がある。パリ北駅にはカレー難民キャンプの撤去に伴いカレーから行き場を失った難民がパリ北駅周辺に移ってきていた。2005年の暴動はバンリューから始まり全国に飛び火して大規模なものとなった。パリのデモは火炎瓶や投石、車への放火、商店のウインドウの破壊など過激さで知られる。


Week of 20.02.2017から

ロシア大統領側近と外交官の不可解な死

超大国としてのロシアの復活で、米国主導の地政学ランドスケープの変革が起きている。特に、シリアでの地上戦参加やシリアの停戦合意への外交で中東での影響力を、アジアでは中国との関係を強化し、新シルクロード構想といった大規模な地域経済化で超大国としての存在感を示している。一方、この16カ月の間にプーチン大統領の側近やロシア外交官8人が死亡する不可解な事件が起きた。

[Read More]


トランプ大統領の経済効果

トランプ大統領就任から1カ月、米国の国益を最優先する政策で株式相場だけでなく、小企業の楽観指数や消費者信頼感指数も好調に推移している。特に、地方や小都市において、減税、製造業の雇用創出、インフラ投資、オバマケアの撤廃などの政策で、国民の将来への見方は楽観的である。

[Read More]


ギリシャ債務再建に動くロスチャイルド

ギリシャの公的債務は再び維持が困難な状況で、7月に予定されている70億ユーロに登る債務返済の資金が確保できない恐れがある。デフォルト(債務不履行)を避けるため、債権者との追加金融支援の交渉を行ってきたが、一向に進まない交渉に、ギリシャ政府は名門投資銀行のロスチャイルド&カンパニーをギリシャの債務再建アドバイザーに起用する予定である。

[Read More]


CIAのフランス大統領選挙諜報活動

ウィキリークスは2月16日に、2012年のフランス大統領選挙の7カ月前に、米中央情報局(CIA)がフランスの主要政党に対して諜報員と通信傍受による諜報活動を命じる指示書を公表した。指示書は3つ、全部で7ページに渡り、大統領候補の政治戦略と各候補の内部通信に関する情報収集を命じるものである。

[Read More]

衛星データ活用で進化するプレートテクトニクス

この20年で衛星データの活用でプレートの歪みの知見は飛躍的に深まっている。衛星データで地表の裂け目の観測や断層とずれのマッピングと地震の関係を調べることで、地震と起源となる断層の関係から将来歪みが引き起こす地震リスクの評価が可能になった。衛星データの活用によって地表の変形モデルの時間依存が得られ、長期的な断層形成とプレートの変動を知ることができる(Nature Comm. 7 13844 (2016))。

[Read More]


拡張現実のインパクトは未知数

学術的には拡張現実は次の条件を満たす技術として定義される。(1) 現実と仮想現実の組み合わせ、(2) インタラクテイブかつ実時間応答、(3) 3D情報として扱われる。新しい技術のような拡張現実は意外に歴史が古く1930年代から始まっているが、スマホの浸透によって急激に利用が進んでいる。

[Read More]


Fermi望遠鏡が銀河中心に暗黒物質を発見

地球上の軌道からγ線を観測するNASAのフェルミ望遠鏡によって銀河系内に存在する暗黒物質の証拠が得られた。暗黒物質からの信号は銀河中心からのγ線として観測され、これまで知られているどの天体にも見られない弱い相互作用と質量を持つ粒子で矛盾無く説明できることがわかった。

[Read More]


欧州で検出された核種I131の起源

ノルウエイのスヴァンホフトの地面で通常より高濃度の放射性核種の検出が1月にも報告されている他、スペインの上空の大気からも微量の放射性核種が検出されている。一方、欧州の大気中の核種をモニタリングしているフランスの原子力安全機関IRSNは、2017年2月13日に微量の放射性核種I131を検出した。

[Read More]



最近の記事

Week of  13.02.2017から

暴徒化するパリの抗議デモ

2月2日にパリで起きた、パリ警察の警官による移民の逮捕者への性的暴行がきっかけとなり、続いている抗議デモは16日には、パリ中心部まで飛び火した。パリメトロのパルペス駅周囲で抗議デモは暴動化、周囲のビル、商店やゴミ用容器に放火、商店のガラスを割り、略奪、警官隊への激しい攻撃を行った。12~15日の4日間だけで車79台が放火され、状況は悪化していると仏フィガロ紙は伝えている。

[Read More]


TPPからTISAへ向かうグローバリゼーション

米国のTPP離脱にも関わらず、 新サービス貿易協定(Trade in Service Agreement: TISA)の交渉会合が機密に続いている。グローバル企業のロビーイングの場となっているTISA交渉会合は、各国政府の立法能力を規制し、国内企業を弱い立場に追い込み、グローバル企業が優勢にグローバリゼーションを推進する協定である。

[Read More]


「赤いバンリュー」でフランス難民が暴徒化

難民の不当逮捕に抗議するデモ隊がエスカレートし暴徒化し、投石や車への放火などの危険行為に及んだとして、パリ警察の警官がパリ近郊で2月2日に難民を逮捕した際に逮捕者への性的暴行と3人への暴行の疑いがあるとして、デモ隊は抗議行動をエスカレートし、車やゴミ箱に放火するなどの行為を行なった。

[Read More]


スェーデン国内の移民による犯罪が深刻化

スェーデン警察のベテラン警察官Peter SpringareがFacebook(2 月3日付け) に書き込んだ、スェーデンにおける移民による犯罪の深刻な状況が大きな反響を呼んでいる。一週間で13万人の支持が集まり、この動きは「スェーデンの春」の始まりとも言われている。

[Read More]


米大統領の英国訪問と英国EU離脱の共通点

英政府のオンライン請願サイトでは、「トランプ大統領の英国公式訪問の中止を求める」嘆願書に178万人以上が署名している。英国国民は、「英女王ならびに皇太子が迎える人物としてふさわしくない」、「特定7カ国の一時入国禁止の大統領令に反対である」、「英国はトランプ政策を支持しない」などを国民の声として、英主要メディアは大々的に報道したが、集まった電子署名に虚偽の疑いがある。

[Read More]


過去30年の最高税率となる英国

フインランド、スエーデンなどの北欧諸国の高い税金はよく知られているが、英国の税金がこれらの国々に迫る勢いで上昇するとみられている。緊縮財政が続く中で英国は個人及び法人に過去30年間、際立った高い税金を課してきた。英国統計局の予測では2019-20年度の税率が2086-87年度のサッチャー政権以来、最も高率となる。

[Read More]


不法移民のための聖域都市の実情

1月25日にトランプ大統領は不法移民政策の1つとして、不法移民を保護してきた「聖域都市」への補助金を停止する大統領令に署名した。聖域政策をやめる自治体もあれば、大統領令を違憲と反発する自治体もある。不法移民を強制送還せず、保護してきた聖域政策は連邦法に違反しているばかりでなく、連邦補助金は国民と政府に大きな財政負担になっている。

[Read More]

米国西海岸を襲うハリケーン級の暴風雨

周辺住民188,000人が避難し混乱が続いているオーロビルダムの危機的状況が続いている。放水量を増やしたため貯水量は減少したため、直接の影響は少ないとされているが、今回増水に分水嶺から流れ落ちてくる大量の雪解け水が重なれば貯水量が増えて再びダム決壊の危険が高まる。

[Read More]


パーキンソン病に遺伝子治療の可能性

ロンドンのキングス・カレッジの研究グループはパーキンソン病などの神経変性を引き起こす遺伝子機能を阻害する遺伝子を発見した(PNAS, 112 44 E6000 (2017)))。世界で患者数が700-1000万人とされるパーキンソン病の治療はこれまで対処療法に限られていたが、今回の発見で抜本的な治療法につながると期待されている。

[Read More]


オーロビルダム決壊の恐れ~荒廃する米国のインフラ

2005年には地域や環境保護団体は、州政府にオーロビルダムの構造的問題を訴え、構造強化を求めた。排水路の一部に穴があき水位が高まる中で決壊に繋がりかねない危険性が指摘されている。オーロビルダムはサンフランシスコの西240キロ、サクラメントから北105キロ地点にあり、決壊すればサクラメントが洪水となるとして、12日に188,000人の避難勧告が出された。

[Read More]


高性能・長寿命のレドックス・フロー電池

ハーバード大学の研究グループは有機金属(化学修飾したフェロセン)と有機分子(化学修飾したビオロゲン)を用いた新型レドックス・フロー電池を開発した。この電池は優れた反応効率と充放電特性を有しながら充放電サイクルで世界最高の長寿命特性を持つ(ACS Energy Lett. 2 639 (2017))。新型レドックス・フロー電池は低コストで電力網に組み込むことにより再生可能エネルギーのベース電源化が可能になる。

[Read More]


オリオン宇宙船が2021年に有人で月周回

オリオン宇宙船は当初NASAがスペースシャトル代替え有人宇宙船として計画していたが、金融危機後に計画が中止された。計画はISS用に縮小さて復活しロッキード・マーチン社で開発中であったが、2013年に欧州宇宙局(ESA)がオリオン計画に参画し、エアバス社が補給機モジュールを担当することになった。

[Read More]


ナノピラーによる収差制御平面反射レンズ

ハーバード大学の研究グループは金属ナノ構造体(ナノピラー)を用いて、可視領域の非収差平面反射レンズをつくる技術を開発した。同グループはチタン酸化物による誘電位相シフタで光学レンズと等価な反射鏡を平面でつくることに成功した。(Nano Lett. Jan. 26, 2017)

[Read More]


ヘリウム化合物の発見

中国の研究者を中心とした国際研究チームによってヘリウムが113GPa以上で蛍石型構造を持つ絶縁体結晶Na2Heをつくることが明らかにされた(Nature Chemistry, Feb. 06 2017)。研究チームは計算により仮想的な高圧力下でNaとHe原子の反応とNa-He化合物の安定性を調べて200GPa以上でNa2He相が安定化することを見出し実験に臨んだ。

[Read More]




T  R  U  T  H  in trends

トレンドの裏側にある真実 

完全には奪還されていないモスルの現実

 

 昨年末からイラク政府軍(Iraqi Security Forces, ISF)が包囲し攻勢を強めていたISの最大拠点モスルは、1月18日にほぼ奪還され市民はISから解放されたとの報道を軍司令部は否定した。北部のチグリス川岸で抵抗を続けていたISとの激しい戦闘も一段落し、イラク軍司令官がモスル奪還を宣言したが、実際には完全に制圧されたわけではない。

 

イラク第2の都市モスルはこれまでIS戦闘員の最大拠点であった。モスルは2年半に渡ってISの支配下に置かれていたが、ISFがモスル奪還を目指してISとの戦闘を開始して3カ月でモスルをほぼ掌握したと宣言されたが後に軍司令部がこの報道を否定した。現実にはIS勢力の強い西部地区では今後もISの激しい抵抗が予想される。

 


TECHNOLOGY with IMPACT

 社会を変える注目技術

ナノピラーによる収差制御平面反射レンズ

 

 ハーバード大学の研究グループは金属ナノ構造体(ナノピラー)を用いて、可視領域の非収差平面反射レンズをつくる技術を開発した。同グループはチタン酸化物による誘電位相シフタで光学レンズと等価な反射鏡を平面でつくることに成功した。(Nano Lett. Jan. 26, 2017)

 

金属膜上に誘電体膜を介して成長させたチタン酸化物のナノピラー(柱状のナノ構造)は490-550nmの可視波長領域で平面反射レンズと等価な光学特性を持つ。光学レンズに比べて極めて薄い平面である特徴を生かして光学機器への応用が考えられる。また開発されたナノピラー技術を用いれば、波長が長くなると焦点距離も長くなる従来と逆の収差分散関係を持つレンズ設計が可能になることも特徴がある。


 

Pick Up TRENDS 

特集コラム 

欧州銀行危機

欧州銀行監督局(EBA)によるEU加盟国の大手51の銀行を対象にしたストレス・テスト(健全性審査)の結果が29日公表される前に、ドイツ銀行の2四半期決算が発表された。純利益、経常収益は大幅に減少して破綻危機が始まっている。これから先、ドイツ銀行が抱えているデリバティブ商品の一部が満期を迎えていることで、破綻が加速する可能性が高い。イタリア銀行の不良債権処理についても、再建案へ政府の関与を巡り政治的混乱が生じている。

活発化する欧州再編成への動き

財政的には不利とされるにもかかわらず、EU離脱に英国民の多くが同調する原因は労働者の機会不均等と不満によるところが大きい。移民の雇用率は英国市民より高水準にあり、EUからの移民に特別の優遇政策がとられていることへの国民の不満が高まっている。EU離脱により移民が出身国に依存しない雇用機会を得る「公平性」が実現する。移民政策や対ロシア制裁による交易の落ち込みなど、EUの政策と国内政策が矛盾する事例が相次ぎEUの結束力が弱まる一方である。

欧州の難民危機

シリアを筆頭に中東の難民は戦争で生命を危険にさらされて欧州に避難したというのは間違いである。10,000人への聞き込み調査によれば、戦争から逃避してきた難民は全体のわずか13.7%にすぎない。ほとんどの難民は経済的理由、すなわち安定な就職先を求めて、欧州への移住を希望している。しかし欧州への移民・難民は各国の扱える範囲を大幅に超え国民に不安を与え、社会・経済を混乱させるに至った。移民・難民の急激な増加で欧州の不安定性が増大し、多様性の受け入れに危惧を持つ国民が増え結果的にEUの結束力が弱まった。


エネルギー科学最前線

大気中の二酸化炭素は温暖化の原因とされ、その排出量規制を巡り世界中の国と企業が血眼になって低減策を模索している。排出量規制に歯止めがかからないため、大気中のCO2を取り込み植物に習って光合成を人工的に行うことにより、空気中の炭素から燃料(アルコール)を合成する研究開発が活発化している化石燃料が欠乏しこれまで期待の大きかった原子力エネルギーとバイオマス・エネルギーが失速して、2050年に倍増するエネルギー需要を満たすことが難しくなってきたからである。そのため原子力から核融合実用炉への移行と、大気中のCO2を使って人工燃料とする人工光合成の研究が期待されている。

遺伝子工学的先端治療法

近年、遺伝子工学的先端治療法の進捗が著しい。各国で重要性が認識され基礎科学の最重要課題の一つとして潤沢な研究開発資金が注ぎ込まれた結果、成果が出始めている。英国癌研究所、ケンブリッジ大学、ダブリン大学の研究チームがこのほど有糸分裂時にBuBR1と呼ばれる酵素蛋白が癌細胞の細胞分裂時に攻撃して破壊することを発見した。BuBR1分子が染色体を複製して細胞分裂した細胞が未熟な状態に置かれ死滅することを見出した(Molecular Cell December 8, 2016)。

期待される先端デバイス

実用化が近い先端デバイスを紹介する。英国ブリストル大学のキャボット研究所の研究グループは高レベル放射性廃棄物から5,000年間電力を供給できる半永久バッテリーを製造する技術を発表した。研究チームは黒鉛型原子炉の使用済み核燃料棒の炭素から、半永久的な寿命を持つダイアモンド・バッテリーが製造できる。ダイアモンドは室温量子計算機素子の材料としても注目されている。またカーボンナノチューブのICチップ実用化も近い。21世紀はカーボンデバイスの世紀となる可能性が高くなった。



©Copyright 2014 Trendswatcher Project All rights reserved.
このホームページの内容の著作権は、Trendswatcherプロジェクトに帰属します。無断での複製、引用または転載等を禁じます。