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カタールとの国交断絶で中東の勢力地図に変化Part 1

 

 5日に始まった「反カタール」連合によるカタールとの国交断絶の背景には、①化石燃料資源の格差、②カタールのイランとの深まる関係、③中東の中でのサウジアラビアの脅威となっているイランの勢力と影響力の拡大、④サウジアラビアの財政悪化、⑤メディア帝国アル・ジャジーラ放送の影響力の拡大などがある。

15.06.2017


最新記事

Week of 26.06.2017

文殊の知恵は何故、正確な地政学上の未来予想ができるのか

カリフォルニア大学バークレイ分校の研究グループは「大衆の正しい予測に関する研究」(The Good Judgment Project)に基づいて、一般人でも時間をかけて特殊な教育(訓練)をすれば、専門家よりも正確な地政学の未来予想が可能であるとする研究結果をまとめた。

25.06.2017

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サウジアラビア次期国王に指名されたサルマーン皇太子

アブドゥルアズィーズ・イブン・サウード初代サウジアラビア国王の孫で、現サルマーン国王の甥、王位継承順では次の国王となるムハンマド・ビン・ナーイフ皇太子(57歳)は突如、王位継承権と内務大臣のほか、全ての役職を剥奪された。代わりに王位継承順第1位(皇太子)に昇格したのが、現サルマーン国王の実子ムハンマド・ビン・サルマーン副皇太子・国防大臣(31歳)である。

22.06.2017

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カタールとの国交断絶で中東の勢力地図に変化 Part 2

サウジアラビアはイランとの国交断絶の条件が中心となる最終宣告をカタールに突きつけた。中東でサウジアラビアと米国の脅威となっているイランの政治的・経済的影響力の拡大を阻止する動きであるが、カタールとイランの関係は切り離せない共存関係である。

19.06.2017

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対ロシア制裁をめぐり深まるドイツとアメリカの溝

ロシアの大統領選への関与に対する制裁として15日に、上院は新たなロシアへの制裁案を可決した。しかし、2014年の欧米が団結してロシアに経済制裁を加えた時とは異なり、今回は同盟国のドイツとオーストリアはこの制裁に反対、認めないことを表明した。

17.06.2017

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2050年に98億人になる世界人口

最新の国連予想では2050年の人口は98億人となる。地域別にみると最も人口が増加するのはアフリカで2050年までの人口増加の半分以上がこの地域である。2050年の世界はどのようになっているだろうか。

26.06.2017

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室温ボース・アインシュタイン凝縮の発見

光は波動性と粒子性を併せ持つがボース・アインシュタイン凝縮状態では前者が支配的となる一方で、新たな量子的特性が現れる。これまで液体ヘリウム温度の現象だと思われていたボース・アインシュタイン凝縮を励起子ポラリトンを用いて室温で実現した(Lerario et al., Nature Phys. online June 5 (2017)。

23.06.2017

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量子気体顕微鏡でハバード反強磁性体を観測

ハーバード大学の研究グループは新たに開発した量子気体顕微鏡で、低温原子の光格子が作るハバード反強磁性体の観測に成功した(Nature 545, 462 (2017))。強相関電子系での高温超伝導の理論解明に向けて大きな前進となることが期待されている。

20.06.2017

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光合成細菌による心臓疾患の新治療法

現代人の死亡原因のトップは心臓疾患であるが、スタンフォード大学の医療研究グループはこの光合成酵素を治療に使えることを見出した(Science Advances 3 6, e1603078 (2017))。心臓疾患を持つマウスの血液に光合成細菌を注入し光刺激を与えた結果、血液中の CO2を吸収し酸素濃度が上昇し疾患が改善された。

19.06.2017

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   最近の記事

Week of  19.06.2017

カタールとの国交断絶で中東の勢力地図に変化Part 1

5日に始まった「反カタール」連合によるカタールとの国交断絶の背景には、①化石燃料資源の格差、②カタールのイランとの深まる関係、③中東の中でのサウジアラビアの脅威となっているイランの勢力と影響力の拡大、④サウジアラビアの財政悪化、⑤メディア帝国アル・ジャジーラ放送の影響力の拡大などがある。

15.06.2017

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中央銀行による金融資産購入はいつ終わるのか

世界の中央銀行(スイス国立銀行、イングランド銀行、日本銀国、中国人民銀行、欧州中央銀国、連邦準備銀行)は、今年に入って5月まで間に、総額1兆5000億ドル相当の株、債券そして他の金融資産を購入してきた。株価、債券などの市場でバブルを膨らませ、その結果、資本主義市場ではなく完全に操作された市場となった。

13.06.2017

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後半を迎えるラマダン~各国で強まる無差別テロリスク

イスラム教の国は今、イスラム教の最も重要な「聖なる月」のラマダンの最中にある。527日から始まったラマダン(絶食月)とラマダン明けの祭り(イード)は624日まで続く。今年のラマダンは、2016年を大幅に超え、6月10日時点で29カ国に渡り、189件のテロ事件が起きている。死者数も1,783人に上り、負傷者1,830人と過去最高の犠牲者をだしている。

11.06.2017

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バンコ・ポピュラールのベイルイン救済

破綻危機が騒がれていたスペインの銀行バンコ・ポピュラールに対し、欧州中央銀行(ECB)は「ベイルイン」制度の活用とスペイン最大の銀行サンタンデールへの売却による救済を採択した。公的資金や破綻処理基金の資金を投入せず、バンコ・ポピュラールの株主と債権者が損失を負うことになった。

09.06.2017

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ビルダバーグ会議2017 Part 2

1954年の設立当時から、完全非公開で秘密に開催されてきたビルダバーグ会議。2015年に会議への市民意識の高まりに対応して、初めて公式サイトを公開、その年会議参加者名簿や議題を公表するようになった。しかし、欧米の主要メディアからの参加があるにも関わらず、「エリート・グローバリスト」たちの会議内容は決して報道されることはない。

07.06.2017

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国交断絶の背景にあるカタールとの経済戦争

6月5日、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、エジプト、バーレーンの中東4カ国は、カタールとの国交を断絶すると発表し、さらに2カ国が続いて中東7カ国が国交断絶という極端な反カタール外交政策をとった。

06.06.2017

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ビルダバーグ会議2017  Part 1~グローバリストに危機感

65回ビルダバーグ会議2017は、61-4日まで米バージニア州フェアファックス群、ホワイトハウスから30マイル(約48.3キロ)離れた場所で開催された。今回の議題の中心はトランプ大統領と新政権の政策への対応となった。

05.06.2017

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未来都市のつくりかた~JingJinJiとマスダール

中国の5カ年計画で最大規模の建設事業となるJingJinJi計画は都市部の人口が1億人を超える。これは周辺地域から都市部への人口移動においても過去最大クラスのものとなる。最近の科学アカデミーの調査研究(Science China Earth Sciences 60 6 1083 (2017))によると都市化と環境保全に相関があることがわかった。

17.06.2017

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レドックスフロー電池でのEV普及シナリオとは

Liイオンバッテリーはいまのところそのエネルギー密度において競合相手がいない。しかし①充電時間が長い(EVの標準が80%充電に30分)、②充放電サイクルに制限がある(約500回)、③発火の危険性などの重大な欠点もある。パーデユー大学の研究グループは充電時間を短縮するのではなく、レドックスフロー・バッテリーの溶液交換で問題を解決する普及シナリオを提案した。

16.06.2017

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空気中の水分から水素製造する光触媒

貯蔵できるクリーンエネルギーとして注目される水素は、太陽エネルギーによる水分解で製造できる。MITの研究グループは空気中の水分を光触媒で分解して水素を製造できるコート材料が開発した(Daeneke et al., ACS Nano, June 14, 2017)。

15.06.2017

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視覚情報認識メカニズムのモデル化

画像情報をソフトウエアが認識することの難しさは自動運転ソフトの困難さで容易に理解できるだろう。脳内で視覚情報処理を受け持つ視覚野に関する新しい研究で、大脳皮質コラムの認識メカニズムが明らかにされた(Nature Comm. 8: 15739 (2017))。

14.06.2017

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アタカマ砂漠に世界最大の反射望遠鏡の建設が始まる

チリのアタカマ砂漠に140億光年の彼方を観測できる世界最大の反射望遠鏡(European Extremely Large Telescope, E-ELT)の建設が開始された。完成すればE-ETTは現在世界最大の反射望遠鏡の5倍の大きさとなる。

13.06.2017

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環境汚染物質ペルフルオロオクタン酸(PFOA)除去技術

ノースウエスタン大学の研究グループは飲料水からペルフルオロオクタン酸を除去する技術を開発した。この技術によって水に溶けているペルフルオロオクタン酸濃度を10ppt(1000分の1ppb)にまで下げることが可能になった。研究グループはペルフルオロオクタン酸を取り込むサイトを有する高分子で、ほぼ完全に除去することに成功した(L. Xiao et al., J.A.C.S. online May 30, 2017) 。

09.06.2017

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進展する遺伝子治療~遺伝子疾患に光

クイーンズ大学の研究グループは遺伝子編集による遺伝子疾患治療法の検証に成功した。難病とされる肝臓疾患など遺伝子変異で発症する疾患の治療に役立てることができるとしている(Nature Scientific Reports 7:2585 (2017))。

08.06.2017

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T  R  U  T  H  in trends

トレンドの裏側にある真実 

世界はいま危機の季節(冬)にある~フォース・ターニングの警告

 

ハートフォード市は人口約12万のコネチカッット州の州都であり、金融業が集結する全米で最も豊かな州の金融中心で米国の豊かさの象徴であった。人口12万だが都市圏人口すなわち通勤圏人口は120万人以上となり、全米44位のビジネス都市である。ニューヨークからボストンに向かうUS95に近いこの街が急速に銀行関係の高層ビルが建ち出したのは80年代で、コネチカット州にニューヨーク市から本部を移す企業が増えだした時代に重なる。


TECHNOLOGY with IMPACT

 社会を変える注目技術

癌細胞の増殖速度を抑える新しい手法

 

癌は複雑な病気であるがその定義は極めて単純で、異常細胞の増殖である。ロチェスター大学RNA生物学研究センターの研究グループは肝臓癌と子宮頸癌に対して、異常細胞の増殖速度を抑える新しい手法を開発した(Science 356 6340 859 (2017))。

異常細胞すなわち癌細胞の特徴は「細胞周期」の異常である。全ての正常細胞では分裂と成長がDNAの複製と分配を含む一連の周期を持つ。癌細胞では細胞周期が暴走し分裂・増殖を際限なく繰り返し周囲の正常な細胞組織まで侵略して破壊していく。


 

Pick Up TRENDS 

特集コラム 

欧州銀行危機

欧州銀行監督局(EBA)によるEU加盟国の大手51の銀行を対象にしたストレス・テスト(健全性審査)の結果が29日公表される前に、ドイツ銀行の2四半期決算が発表された。純利益、経常収益は大幅に減少して破綻危機が始まっている。これから先、ドイツ銀行が抱えているデリバティブ商品の一部が満期を迎えていることで、破綻が加速する可能性が高い。イタリア銀行の不良債権処理についても、再建案へ政府の関与を巡り政治的混乱が生じている。

活発化する欧州再編成への動き

財政的には不利とされるにもかかわらず、EU離脱に英国民の多くが同調する原因は労働者の機会不均等と不満によるところが大きい。移民の雇用率は英国市民より高水準にあり、EUからの移民に特別の優遇政策がとられていることへの国民の不満が高まっている。EU離脱により移民が出身国に依存しない雇用機会を得る「公平性」が実現する。移民政策や対ロシア制裁による交易の落ち込みなど、EUの政策と国内政策が矛盾する事例が相次ぎEUの結束力が弱まる一方である。

欧州の難民危機

シリアを筆頭に中東の難民は戦争で生命を危険にさらされて欧州に避難したというのは間違いである。10,000人への聞き込み調査によれば、戦争から逃避してきた難民は全体のわずか13.7%にすぎない。ほとんどの難民は経済的理由、すなわち安定な就職先を求めて、欧州への移住を希望している。しかし欧州への移民・難民は各国の扱える範囲を大幅に超え国民に不安を与え、社会・経済を混乱させるに至った。移民・難民の急激な増加で欧州の不安定性が増大し、多様性の受け入れに危惧を持つ国民が増え結果的にEUの結束力が弱まった。


エネルギー科学最前線

大気中の二酸化炭素は温暖化の原因とされ、その排出量規制を巡り世界中の国と企業が血眼になって低減策を模索している。排出量規制に歯止めがかからないため、大気中のCO2を取り込み植物に習って光合成を人工的に行うことにより、空気中の炭素から燃料(アルコール)を合成する研究開発が活発化している化石燃料が欠乏しこれまで期待の大きかった原子力エネルギーとバイオマス・エネルギーが失速して、2050年に倍増するエネルギー需要を満たすことが難しくなってきたからである。そのため原子力から核融合実用炉への移行と、大気中のCO2を使って人工燃料とする人工光合成の研究が期待されている。

遺伝子工学的先端治療法

近年、遺伝子工学的先端治療法の進捗が著しい。各国で重要性が認識され基礎科学の最重要課題の一つとして潤沢な研究開発資金が注ぎ込まれた結果、成果が出始めている。英国癌研究所、ケンブリッジ大学、ダブリン大学の研究チームがこのほど有糸分裂時にBuBR1と呼ばれる酵素蛋白が癌細胞の細胞分裂時に攻撃して破壊することを発見した。BuBR1分子が染色体を複製して細胞分裂した細胞が未熟な状態に置かれ死滅することを見出した(Molecular Cell December 8, 2016)。

期待される先端デバイス

実用化が近い先端デバイスを紹介する。英国ブリストル大学のキャボット研究所の研究グループは高レベル放射性廃棄物から5,000年間電力を供給できる半永久バッテリーを製造する技術を発表した。研究チームは黒鉛型原子炉の使用済み核燃料棒の炭素から、半永久的な寿命を持つダイアモンド・バッテリーが製造できる。ダイアモンドは室温量子計算機素子の材料としても注目されている。またカーボンナノチューブのICチップ実用化も近い。21世紀はカーボンデバイスの世紀となる可能性が高くなった。



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