新型コロナウイルスの初の「スーパー・スプレッダー」が出現

21.01.2020

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)の鐘南山(Zhang Nanshan)氏は、21日中国国営中央テレビ(CCTV)のニュース番組で新型コロナウイルスの人から人への感染が確認されたことを発表した。さらに、武漢市の同済病院で治療を受けていた感染者の一人が治療にあたっていた医療従事者14人(2名が重症)を感染したことが確認され、初めての「スーパー・スプレッダー」の出現が確認された。

 

 鐘南山氏は「同済病院での症例の他、武漢市で1家族、広東省で2家族における人から人への感染が確認された。出現した初のスーパー・スプレッダーに関しては、今後、新型コロナウイルスの拡大を抑える鍵となるのが、スーパー・スプレッダーの出現を防ぐことである」と警告を発した。

 

二次感染の可能性
 18~19日で新たに130人の感染者が確認され、中国全体で発症者は20日時点で計217人(武漢市198人、北京5人、広東省14人)、四川省2人、雲南省1人、上海2人、広西チワン族自治区1人、山東省1人が症状を報告、四川省で疑いのある7人が経過観察に置かれている。

 中国当局が昨年の12月31日に原因不明の肺炎を報告、1月8日には41人が新型コロナウイルスに感染したことが確認され、集団感染の中心となった武漢市の海鮮市場は完全閉鎖された。しかし、武漢市を訪れていない人や、感染から検出の期間が平均して10日であれば、新たな発症者は二次感染者である可能性が考えられる。実際、14人の医療従事者の発症は、1人の「スーパー・スプレッダー」による二次感染である。

 新型コロナウイルスの感染源や感染経路、ペイシェント0からの感染拡大の感染経路が不明であること、旧正月の春節を24日から控えていることから感染拡大は避けられない状況にあり、懸念が高まっている。