Behind TRENDS

紛争の世紀

再現される戦場のピアニストの廃墟

2002年に公開されたロマン・ポランスキーの「戦場のピアニスト(現代はThe Pianist)」は第二次世界大戦でドイツが侵攻し街中を破壊しまくったワルシャワのゲットー地区を舞台にしている。

1939年に勃発した第二次世界大戦でナチスドイツがポーランドに電撃侵攻したが、そのときに(ポーランド人にいわせると)、建物を破壊し建物の材料であったレンガの山ができた。戦後ワルシャワ市民はレンガ一個一個を再利用し当時の青写真から精密に建物を復元した。

エネルギーによる世界支配

アメリカの原油増産の意図

2015年2月に原油価格は平均で$54.9/バレルと8カ月ぶりに上昇傾向となり、下げ止まりともとれる状況となった。3月に入ってもわずかな上昇傾向が続き現在、WTI先物は$53.98/バレルで推移している。

国家と民族-1

戦争を請負う会社−PMSCとは

傭兵ときくと2度も映画化された映画「外人部隊」が頭に浮かぶ人は多い。フランス外人部隊はしかしれっきとしたフランス陸軍の外人志願兵で構成される「正規軍」である。ここで紹介する傭兵やその会社組織である民間軍事会社も退役軍人から各国の流れ者たちまで様々な戦争プロフェッショナルたちの集団である。

国家と民族-2

内乱の立役者フーシとは

フーシ(Houthis)は、イエメン北部を拠点に活動するシーア派の武装勢力でアブドル・アル・フーシに率いられ2014年9月にイエメンの首都サヌアに侵攻した。2015年1月に大統領ハーデイは辞意を表明(注)、政府は転覆することとなった。写真は気勢を上げるフーシ部隊。

国家と民族-3

映画に描かれたキューバ

キューバは半世紀に渡るアメリカとの国交断絶に別れを告げようとしている。独裁政治が長く続いた結果、多くが低収入で貧困であるにも関わらず、平均年齢29歳という若い国民の目は輝いている。通りを歩いてもたむろする若者が多いが、路上生活のホームレスをみかけることはない。

国家と民族-4

緊張深まるアデンとガラパゴス(ソコトラ島

イエメンの空爆(3月26日)は、世界最大の油田があるアラビア半島でのサウジアラビアとイランの代理戦争に発展する恐れがあることは記事に書いた。スンニ派のハーディ大統領の政権拠点となっている人口59万人のアデンは、古くから欧州とインド洋を結ぶ通商の要衝であった。

国家と民族-5

アフリカの星ーリビア

北アフリカは中東の紛争から遠いと思いがちだが、広大な砂漠の大部分を持つリビアは近代史の中で重要な役割を演じて来た。2月20日、そのリビア東部で同時多発テロがあり民間人45名が犠牲となった。リビアの歴史をみればこの地の特殊な事情が浮かび上がる。上の写真は首都トリポリの海岸。一見すれば地中海のリゾートである。

国家と民族-5

国家を持たない民族−クルド人とは

中東の国々に広がって国家を持たない3000万人(注1)といわれる民族が存在する。クルド人である。クルド語を話しスンニ派が多い彼らの祖先はオスマントルコに住んでいたが、第一次大戦後に国が分断され、トルコ、イラク、イラン、シリア、アルメニアに分かれて居住を余儀なくされた。

連邦制度の絡繰り Part1

連邦準備銀行(FRB)

連邦準備銀行(FRB)は一般には誤解が多い。アメリカの中央銀行は制度的には「連邦準備制度」と呼ぶ。中央銀行といえば独立権を持つにしても公的な機関のイメージだが、FRBは完全に私的な機関であり、その証拠には電話帳の官公庁のページに記載はない。

欧州の異端児-1

国民皆兵の証ーアウトドアギア

スイスミリタリー(Swiss Military)はスイス政府が保証し、スイス国旗をブランドロゴとする世界的に有名な高級キャンプ用品の企業である。スイス国防省が管理する政府直轄の会社で、本格的な実戦にも使えるテント、タープ、バーベキュー、などキャンプ用品が揃っている。キャンプ用品といえばコールマンが有名だが、こちらは国民皆兵のためのグッヅなので実用性、耐久性は一目置かれている。

欧州の異端児-2

スイスの特殊性

スイスの山岳道路にはひっそりと隠れるようにミニ要塞が要所要所に設置してある。国境を越えて侵入したらいたるところが戦場と化す。地の利を生かしたスイス軍に手痛い反撃を食らうことになるのだ。

王国の素顔

Pt.1 サウジアラビア

世界的な原油価格の下落の一因となったOPEC減産見送りで、シェールオイル、ロシアそして同業者たち(ベネズエラなどの産油国)に、大打撃を加えて石油産業に一石を投じたサウジアラビアとは一体どんな国なのだろうか。

消息を絶つ航空機の謎

Air AsiaとA320

2014年12月28日、マレーシアのメディアによると、インドネシア運輸当局は、インドネシアのスラバヤから、シンガポールに向け飛行中の、マレーシアのエアアジア機(QZ8501便)と連絡が取れないと伝えた。乗客155人、乗員6人が搭乗している。現時点で限られた情報しかないが、「正規の飛行ルート変更」の申請の後、消息を絶ったとされ23人が登場していないことが知られている。

先進国の誤算-1

Pt. 2 フランスの選択的移民政策

「フランスで生まれた者はフランス人である」、という簡単明瞭な国民の定義は貧困にあえぐ北アフリカの難民にとって希望そのものである。フランスのグルノーブルは中でも移民天国で、南アフリカに限らず欧州各国からの移民が多い。そのこともあってグルノーブルはまた欧州テロリストの活動拠点というありがたくないレッテルを貼られることになった。

先進国の誤算-2

Pt.1 スウェーデンの移民政策

スウェーデンにはIKEA(北欧家具)、ERIKSON(携帯)、H&M(ファストファッション)、VOLOVO(車)など若い世代に人気のある企業が多い。先端性のあるデザインや車では独特の安全機能が受けて、こうした会社は日本国内での目立つようになった。スウェーデンとはいったいどのような国なのだろうか。

課税に走る米国政府

Pt. 1電子渡航カードESTAの意図

ESTA-Electronic System for Travel Authorizationの略称。ESTAとはビザ免除プログラム参加国から米国へ入国する入国者に対し、米国出入国カード(I-94W、従来は渡航者が米国入国時に記入)を米国への渡航(米国を経由して他国へ渡航する場合も含む)前にオンラインで申請することを義務付けるものである。

西アフリカの歴史-3

Part3 ギニアーBeginnings

ギニアはエボラ出血熱の感染者を出した西アフリカの国のひとつでシェラレオネとリベリアに接しているが、独立以後の歴史は他の国と少し事情が異なる。ギニア共和国の独立は1958年にフランスの植民地から国民投票で独立を遂げた。住民の民俗学的な歴史は古く12世紀に遡る。

西アフリカの歴史-2

Pt. 2 ナイジェリアとボコハラム

リベリアとともに今回のエボラ出血熱の感染者が集中した西アフリカに位置し、アフリカ最大の人口で知られる。ナイジェリアに隣接するニジェールは混同し易いがどちらの語源もニジェール川から来ている

西アフリカの歴史-1

Pt. 1 シェラレオネとブラッドダイアモンド

2006年のデイカプリオ主演の映画"Blood Diamond"は西アフリカシェラレオネで紛争の資金調達のために不法取引される「紛争ダイアモンド」を話題としたサスペンスであった。デイカプリオは白人傭兵の役で紛争ダイアモンド(注)を国境を接するリベリアに密輸しようとする。

タイフォイドメアリー

アメリカで最も危険な女性

10人以上感染させるウイルスキャリアーをスーパースプレッダーという。米国の看護師がエボラ出血熱感染の恐れがあるにもかかわらず、屈強な体にものをいわせて自転車で外出し物議をかもしている。本人は元気で自分は感染していないので隔離される覚えは無く、自由の身であることをメデイアの前で堂々と主張した。人権の侵害だといわんばかりの剣幕にメデイアもたじろいだようだ。