Part 1 電子渡航カード−ESTAの意図

Dec. 8, 2014

 

 

 ESTA-Electronic System for Travel Authorizationの略称。ESTAとはビザ免除プログラム参加国から米国へ入国する入国者に対し、米国出入国カード(I-94W、従来は渡航者が米国入国時に記入)を米国への渡航(米国を経由して他国へ渡航する場合も含む)前にオンラインで申請することを義務付けるものである。

 


 I-94Wはもちろん無料だったが、渡航カードの電子化と事前申請は理解できるが登録に際しては料金($14)前納が課される(2年間有効)。納得がいかない。機内で書けばすむ渡航カードを前もって登録させてお金を払わせる国は今のところ米国だけだ。

 


 ところでESTA申請に際しては必須情報としてパスポート番号、生年月日、パスポートの発行日と有効期限などの情報が必要になる。支払いはクレジットカードのみでその際にカード名義人の姓名、請求書送付住所、国名、クレジットカードの種類、クレジットカード番号、有効期限、セキュリティーコード等の個人情報が要求される。

 


 個人情報を登録させる行為を法律でしかも料金をとって個人の労力でやらせる。なんて要領の良いやり方だ。ところで課金でどのくらいの収入になるかといえば2013年の渡航者数は69,768,455人なので、簡単のため全員が初回登録をしたとすれば$976,758,370〜$1 bilion〜1,200億円となる。個人情報をただで入力させてデータベースができて、その上年間1,000億円の稼ぎになる。

 


 様々な基準を押し付ける米国だが、いっそのことこのシステムを受け入れて世界中の国が14$を徴収したらどうだろう。コラタラルダメージになり不公平感がなくなりはしないか。

 


 ところで空港税ってご存知だろうか。国によって航空券に含まれる場合と空港で徴収される場合があるが、中間業者もちゃっかり為替リスクを上乗せするので、結局うやむやのうちに渡航者は余計なお金を取られることになる。米国の場合は航空券加算で徴収、区分では税関使用料、入国審査料、検疫使用料、国際通行税、セキュリテイ料金などに分かれていて、乗り継ぎの場合でも対象となる。

 

 

 なお乗り継ぎをtransitとみて入国とみなさない国もあるが、もちろん米国では乗り継ぎも立派な入国とみなして入国と同じ空港税とESTA料金の支払いを課している。全ての国がそうすれば公平である。