難民危機 -Refugee Crisis
デンマークでは13日に、Soren Pind法務移民大臣が提出した移民に関して、波紋を呼んでいる法案が13日に成立した。それは、移民への社会保証を含む支援に必要な資金を移民に負担してもらう法案である。具体的にいえば、結婚指輪、婚約指輪、時計や携帯電話を除く300ユーロ以上の価値がある貴重品が没収の対象となる。
パリ同時多発事件を受けて、非常事態宣言が発令されてから、フランス警察当局は、イスラム過激派的思想(サラフィー・ジハード主義)を広めている疑いやイスラム国との関連のある人物、組織の調査を行ってきた。7日にはパリ郊外にあるモスクを閉鎖、銃器やイスラム過激派に関する書物を押収、指導者や関係者を逮捕した。これまで、パリ郊外にあるモスク3カ所、さらに計2,235カ所の住宅やビルが調査対象となり、計232人が逮捕、計334の銃器や弾丸が押収された。
イラクとシリア市民を対象とした、世論調査が行われ、その結果が公表された。調査によると、4年間続いているシリアの内戦下で、シリア国民の65%、イラク国民の75%は、平和的に共存できると考えている。
メルケル首相は「シリア難民に限って受け入れる」ことを表明しているが、ダブリン条約によれば難民はEU加盟国に入国した時点で難民申請をしていることが前提である。メルケルのイスラム系難民への寛容さの意図は何か。
不法移民問題が世界中に広がっている。とりわけイスラム圏から欧州への移民が急速に増えているが、地中海を渡る移民は高い代償を強いられることになる。船自体が旧式で沈没の恐れがあるにも関わらず、限度を超えて不法移民を乗せた難民船が後を絶たない。
欧州に流入した避難民が持ち込む感染症リスクについてかいた矢先に現実になった。週末にかけてノルウエーの沿岸警備隊は906名のアフリカからイタリアに移動中の難民を保護した。当局は6名がマラリア感染者の恐れがあり300名がダニの一種である疥癬を持っている疑いがあるとしている。
スウェーデンは多文化共生の移民政策により、自国の文化・伝統の崩壊、治安の悪化、財政破綻の危機を迎えている。世界で最も安全で、男女均等の豊かな社会福祉国家はもはや国家機能を喪失した破綻国家になりつつある
13日に起きたパリ同時多発テロ事件を数回にわたり検証する。9月に約4,000人のイスラム過激組織のメンバーが一般の移民に混じって、トルコからギリシャのルートで欧州国に散らばって聖戦を準備しているとの報道しもある。事実であればパリの同時多発テロ事件に続いて欧州でテロ事件が起きる可能性は高い。
米国移民はニューヨークにやってくると小さな島(エリス島)にある移民審査を受けていた。現在、米国民のおよそ4割がそのエリス島(注)で審査を受けて米国にやってきた人たちか、その子孫であるという。
ハンガリーの首都ブダペストの東駅はドイツに向かう難民が押し寄せて駅を占拠している。難民たちは駅を難民キャンプのように占拠して静かだった東欧の駅に混乱が起きている。彼らは長期滞在をしたくて留まっているのではない。彼らの最終的な目的地はドイツでブダペスト、ウイーン、プラハと乗り継いで国境を越える。
2011年から続くシリア内戦は殺害と人権侵害により難民をつくり、シリアは中東諸国と国際社会から孤立させたが、映画「シリアナ」で描かれているように、天然ガス資源を巡る大国の利権の犠牲者となっている側面も否定できない。
シリアとアフリカから欧州に渡る難民と不法移民が、近い将来欧州を根幹から揺るがすことになりかねない。イスラム系移民のたちは欧州各国に分散して住みついても、独自の宗教、文化、そして仲間のつながりを捨てず現地に溶け込もうとしないからだ。
難民のイギリスへの不法入国の動きが活発になってきた。特にフランス領内のドーバー海峡に面した赤十字難民センターに収容されている難民が、海峡トンネルに不法進入して、イギリスに渡ろうと試みていることで混乱が続いている。ドーバー海峡に面したフランスのカレーで7月30日に難民がドーバートンネルに不法侵入し、20人が警察に阻止された。カレーには3,000人もの難民が密航をうかがって野営している。
仏風刺週刊誌「シャルリーエブド」のテロ事件には、欧州のイスラム化問題が背景にある。現在、欧州には5,200万人の欧州に定住し、世俗化したイスラム教徒がいる。
ドイツ、英国、デンマーク、オランダなどの多くの欧州諸国では、厳しい規制があるにも関わらず、銃を購入・保有する人口が増加している。特に中東やアフリカからの移民増加で、治安の悪化や犯罪の増加で自己防衛の手段として銃弾を保有する人が増えている
スウェーデンは多文化共生の移民政策により、自国の文化・伝統の崩壊、治安の悪化、財政破綻の危機を迎えている。世界で最も安全で、男女均等の豊かな社会福祉国家はもはや国家機能を喪失した破綻国家になりつつある。
今年になって、欧州に紛争や貧困から逃れる中東やアフリカから67万人の移民が流入したとされる。ハンガリー、ポーランド、スロベニア、オーストリアは移民受け入れの限界に達し、国境管理を始めた。ポーランドのヤロスワフ・カチンスキ元首相は移民が持ち込む感染症は国民に健康被害をもたらす可能性があると警告を発した。
メッカの中心にはもっとも神聖なマスジドハラームがあり、ここが街の中心でもある。巡礼者で溢れるこの場所からみえるところに最近新しい建物がたてられた。メッカ ヒルトンタワーズ。5星の高級ホテルである。
欧州で1970年代から最も積極的に移民を受け入れてきたスェーデンでは、移民政策を反対してきた野党のスェーデン民主党が、今では最も支持率の高い政党となり、その支持は拡大している。スェーデン社会のなかで、移民政策を巡り、2極化を反映している。移民増加により社会困難、犯罪の増加、経済状況の悪化が進んでいるなか、スェーデン民主党青年たちが移民に配布している、スェーデンの現状を説明するビラが話題となっている。
メルケル首相は「シリア難民に限って受け入れる」ことを表明しているが、ダブリン条約によれば難民はEU加盟国に入国した時点で難民申請をしていることが前提である。メルケルのイスラム系難民への寛容さの意図は何か。
ヨーロッパにおける移民問題が深刻しているなか、スロヴェニア政府は200人のシリア難民の受け入れを表明した。だが、受け入れる難民を迫害されたキリスト教徒に限った。イスラム教徒を受け入れないことが大きな波紋を呼んでいるが、中東で殺害、迫害を受けているキリスト教徒の問題をスロヴェニアは提示したのである。
トルコ領でイタリア半島と目と鼻の先にあるガリポリは軍事的拠点で第一次大戦中に連合軍がイスタンブール目指して行った上陸作戦(ガリポリの戦い)が有名である。ガリポリの戦いは海軍の戦術に関する講義で必須の歴史的作戦であった。
海外に移住する中国人が近年急増している。国連が発表した「2013年世界移民報告」によると、2013年には930万人の中国人が海外に移住しており、世界で4番目に多い移民輸出国である。多くは、中国富裕層で、移民先は一番人気のアメリカに次いてカナダ、オーストラリア、ニュージーランドの順である
メルケル首相はEU諸国が難民の受け入れを分担するよう割当制を提案、EUの建前としては分担とすることになったが、現実にはこれに従わない国もあらわれている。2013年の統計でシリア国民2千万人のうち220万人が何ん民として国外に避難したが、2015年の最新統計では400万人となった。
ベトナム戦争後、数多くの南ベトナム難民が国外に亡命した。海に面していることから、漁船や小船で逃げ出す難民が多く、このような人々を「ボートピープル」と呼んだ。南ベトナムのボートピープルはアメリカ、カナダ、英国、オーストラリアなどの先進国への亡命を目指した。
オバマ大統領は議会で法案を通すことなく、大統領令の実施により、米国内の不法移民500万人に対し強制送還の対象から外す移民制度改革を発表した。だが、前日にこれとは別に注目すべきもう一つの移民救済策を発表したのである。
ノーベル賞の授賞式がスウェーデン首都のストックホルムで開催されることから、テレビでその美しい街並みをみることが多かった。スウェーデンと言えば、高福祉社会で教育、医療が充実した豊かな国家というイメージだが、そのイメージは過去のものになりつつある。治安の悪化で安全に暮らすことすらままならない国になったことはあまり知られていない。