ダウングレードするアイフォーン

13.02.2016

Photo: itweb-log

 

315日はアップルがアイフォーンのマイナーチェンジをする日。4から4s5から5s6から6sというように。昔はサンフランシスコのシビックセンター近くのユニオンンスクエアのホテルは満杯になり付近のレストランまでが予約が困難になったものだ。(ホテルでも滞在客に注意して歩いていたほどだ。)今回の発表はこれまでのものと少々異なる。今回の目玉がアイフォーン6sから画面サイズがダウングレードされる6seである。

 

これまでのアイフォーンの変遷は画面サイズに限れば下の写真のように大型化をたどってきた。筆者が最高傑作と信じている5s4インチ画面に戻り5seと称するダウングレード版を販売する。もちろんプロセッサがA9となり高速描画性能匂いて5sと比較はできないが、少なくとも大型化してきた画面サイズは4インチに戻る。

 

筆者にとっては「やっぱり」の感が強い。というのも個人差はあるがエッジの効いたデザインは一目で他機種と区別できるし、画面サイズはポケットに出し入れしたり手のひらで持つのにちょうど良いサイズで、おそらく「1機種アイフォーン」とするために、試行錯誤した努力がうかがわれるからだ。だから今回のダウングレードは原点復帰という意味で大いに歓迎したい。

 

 

Source: gori.me

 

もちろん画面サイズの大きい6s需要を見込んでユーザーは手になじむ4インチと4.7インチあるいは6s Plus5.5インチを選択できる。つまり5seに並行して販売されるのでユーザーは画面サイズを4、4.7、5.5インチから選択することができる。

 

筆者は5sを所有してiOSのみアップデートして使用しているが正直言って不足はない。実は6に変更したいと思い何度も店に行っては丸みを帯びたケースをいじっているうちに滑り落ちそうになるからだ。エッジの効いた5sの筐体は手のひらにフイットすると同時に滑り落ちそうにはならない。6 Plus5.5インチはタブレットに分類しても良いサイズで、動画を見たり作業するのに便利でバッテリーが長持ちするというおまけがつく。

 

それでも携帯として通話する時にあのサイズはどう見ても滑稽だし、取り回しは難がある。女性でPlusを使っている姿はパジェロを運転するのと同じでちょっと違和感がある。

 

5seが画面サイズが小さくなっても丸みを帯びたケースで登場するから変更したいとはまだ思わないが、ユーザーの選択肢が多くなったと同時にワンモデルを貫いてきたアップル社の当初の方針は消えたことも意味する。

 

中国に行くと新幹線の一等車内(日本で言えばグリーン車)ではほとんどの客がアイフォーンを使い、富裕層と若い女性は最新の6sもしくは6s Plusで、若者の多くは型落ちモデル4s55sである。型落ちモデルが安く出回っていることがわかる。

 

アッップル社の発表によれば2015年第4半期のアイフォーン販売台数は4800万台とはいえ予想を下回った。新型(6s)の6に比べてのインパクトの低さ、中国市場の減速などをアナリストはその原因とみるが、筆者が中国で見たものは66sではなく型落ちモデルで満足げな人たちの多さである。そういう人たちはゲーマーではなくもちろん生活に余裕のある層ではないが、圧倒的多数である。つい最近までより大きい画面のアンドロイド端末を見せびらかす人はいたが、最近はめっきり少なくなった。若い人に聞くとSamsungなど眼中にない様子で型落ちアイフォーンがお気に入りのようだ。もちろんキャリアとパケット契約せずスマホはWiFi端末で使うもの、と割り切っている。

 

こんなに型落ちモデルが出回れば高価な新型を購入するのは少数だから、中国での販売台数の減速はやむをえないだろう。筆者は4sから5sに変更した際にA5800MHz)からA71.29GHz)の性能差に愕然とした。WiFi動画のスムース差が歴然としていたからである。アップル社はその後もプロセッサとメモリ、カメラ性能向上をAOSと連携させて強化を行ってきた。画面サイズの変更は6まで順次拡大されてきたが、6では画面サイズが4.7インチと5.5インチに選択肢が広がった。

 

一方、これが多くのユーザー(特に女性)の手のひらサイズに余りあるところとなり携帯としての利用に限れば55s4インチ)が理想的だったため、復活を望む声が高まっていた。今回の5seはアップル社がそうした要望に応えてプロセッサを最新のA9としながらも画面サイズは初めてダウングレードすることになったものである。アイフォーンが一つのモデルで勝負する時代が終わったことを意味している。

 

 

次のフルモデルチェンジで7に革新的なものを期待できなければ、低価格路線でアイフォーンのコモデテイ化しか残されていないかもしれない。メモリ増強やプロセッサ強化より重要な革新的なアイフォーンに期待したい。