コンサート爆弾テロで死者19名〜連鎖の背景

23.05.2017

Photo: abc

 

2016725日のドイツ野外コンサートの爆弾テロ事件の記憶が消え去らない欧州に再びコンサート爆弾テロが起き、死者19名、50名以上の負傷者を出した。

 

惨劇のコンサートとなったのはいまをときめく歌姫アリアナ・グランデの英国公演(2017522日)の会場となったマンチェスター・アリーナ。付近を担当する警察のツイッターによると現地時間の午後10:33にマンチェスター・アリーナから警察に連絡があった。

 

ロビーの爆発で現場近くにいた客19名が死亡、50名以上が負傷した。負傷者は6カ所の病院に搬送され手当を受けている。現場には緊急に警察官や救急隊が配備され厳重な警戒が続いている。事件は英国がテロを警戒していた矢先であった。ドイツのコンサートでのテロを受けて、またチケットの闇売買をさけるため、近年コンサート会場ではチケットと身分証の照会がなされることが多い。

 

しかし警備が厳重でもいったん会場内に入れば、コンサート会場の熱気で警備は万全とはいえなくなる。今回の爆発はコンサート終了間際の混乱を巧みに利用したもので、会場内で爆発が起きればさらに犠牲者が増えたとみられる。容疑者は特定されたとみられるが、ドイツの事件を引き起こしたシリア人のようにイスラム系移民であれば、欧州内に新たな反移民運動が活発化する。

 

 

背景に難民問題がある限りこうした無差別爆弾テロはなくならない。今回の事件で難民問題が与えるドイツの大統領選挙へ影響が懸念される。

 

Updated 24.05.2017 09:20

AFPによれば犯人の身元はリビア系英国人のサルマン・アベデイ(22)と警察は発表している。また負傷者の大半が未成年の若者であった。マンチェスター南部の家宅捜索で別の容疑者(23)が逮捕された。

 

Updated 23.05.2017 17:13

死者と負傷者はその後、増えて22名、50名となった。被害者には人気歌手のコンサートとあって未成年者が多く含まれている。