オーストラリア航空機へのテロ攻撃を防いだイスラエルの8200部隊

02.04.2018

Photo: jewishbusinessnews

 

 イスラエルのネタニヤフ首相は、アメリカユダヤ人会議で、イスラエル諜報機関がISISによるオーストラリアの旅客機への攻撃を阻止したことを認めた。 ユニット8200が2017年に情報を提供したことが、攻撃を試みたレバノン系オーストラリア人ISIS2名の逮捕につながった。

 

8200部隊とは

2017年7月、シドニー発アブダビ行きのエテイハド航空を爆弾攻撃を計画した罪で2名(兄弟)が逮捕された。情報はイスラエルの諜報機関のひとつで世界最大と言われるサイバー攻撃部隊(SIGINT)(注1)ユニット8200部隊である。イスラエルの諜報機関と言えばモサドが有名だが、8200部隊はインターネットから得られる情報を解読する特殊部隊で、数千人が最新の技術でハッキングを手がける精鋭である。イスラエルのサイバー組織、8200部隊は組織の拡充とその能力が飛躍的に増大した。

 

(注1)SIGINT(Signal Intelligence)とはインターネットを介して行われる通信を解読して得られる情報を指す。戦時中の暗号解読に始まったSIGINTは現在ではインターネット回線の傍受やハッキンングなどが多岐にわたる。

 

 8200部隊とは数年前、エジプト、シリア、ヨルダン、イラク、リビアなどイスラエルを取り巻く周辺国との戦争回避のために組織された。そのため当初は軍事情報収集に特化したが、過去15〜20年は国際テロが主要な戦略的脅威となったため、自国のみでなく同盟国を脅かすテロ情報を担当機関に伝えて事前にテロ行為を防ぐことも目的となった。

 

 またISISがノートパソコンに仕込んだ爆弾を攻撃に使おうとしていたことも8200部隊が明らかにした。ノートパソコンは機内持ち込みでは単体でX線透視されるが、荷物として預ければX線透視を免れて機内に持ち込める盲点を狙ったものである。このことはトランプ大統領はロシアのラブロフ外務大臣に漏らしたとして批判の対象となったが、これも8200部隊が察知してイスラエルが米国に知らせたものであった。

 

 ISISは拠点をシリアからアフガニスタン、リビアなどに移し小規模な拠点で国際テロ継続を目指しているという。こうした拠点の動きを掴んで攻撃を防止する8200は重要な対テロ対策としての戦略を持つとされる。シリアから拠点が消えたと言っても、実際にはISISは身を隠したSleeping Cellとして機会を伺っているが、連絡を傍受することで計画を未然に防ゲルとしたら、8200部隊はホワイトハッカーと言えるのかもしれない。