ANAのスタガードシートについて

 

 

 確かビジネスクラスシートの向きを進行方向からずらした先駆者はVirgin Atlanticだったろう。その先駆者は日本の空を飛ばなくなってしまったことは残念だが、それ以来エアライン各社はシートアレンジメントの発想が自由になったという点では各社とも一目置いている。

 

 その後の主流は進行方向にシートをそろえつつ、プライバシー尊重、専有スペース、サービスのし易さの追求があり、一昔前に上の写真のように進行方向に座面をそろえるが左右対象でなくずらした配置「スタガード配置」が主流となった。

 

 ANAのスタガードシートに乗ってみた印象を簡単に。まず評価が高い理由としてフラットシート化が非常に簡単で、ボタンひとつ中央部が座席下からせり上がり、座ったままでも(ここが横着者の筆者には重要)簡単に、フラット化ができて途中の体制でも固定できるのがうれしい。

 

 他のエアラインにもスタガードシートはあるのだがANAはフラットにしない場合、足元を上の写真でいうと右側のボックスに「収納」できる。なのでリラックスするあまり靴下を脱いでしまっても、CAや通路を通る客にもわからないのだ。

 

 全体的に機能美を追求したせいでオシャレ心が少し欠けるが、工夫したのはわかる。左上の青い個人テーブルにLED読書灯があるのは普通だが、テーブルランプがテーブルの内側に青白く光る。これはとてもムードがあっていい感じである。

 

 モニターはやや光沢が気になるがサイズ的には普通。エンンタテインメントはしかしゥフトハンザA380などと比べてしまうと寂しい。

 

 電源類は100Vソケット、USB、PSコネクタが備えてあるのだが、PSコネクタにiPODとあるののはご愛嬌。そういえば昔はビジネスクラスではPCのバッッテリーを持ってきてもらっていた。


 各社のコネクタに合わせたバッテリーを積んでいた時代があったのだ。もちろんIBMのThinkPadなら問題なかったが、国産のノートPCになると危なかった。そういう時代のビジネスシートはまるで理髪店の椅子のような豪華さで、プライバシーのかけらもなかったがあれはあれでよかった。

 

 WiFiは有料で簡単に設定できて便利だが、有料にするくらいなら航空券にWi/Fi料金を加算してはどうか。この点で意外だがEver航空では昔から機内からメールが送れて重宝した。さて総合評価でいえば、機能重視で簡素なANAスタガードシートは85点。


 フルフラットへの動きのスムースさ、トルクが大きいモーターなので体重に関係なく落ち着いて「そのままで」変更可能。囲まれ感とプライバシーは⭕️。CAとのコミュニケーションはしたがって1対1となる。ANAは昔から日本酒コレクションが良かったし、和食へのこだわりもすごかった。しかし洋食もなかなかのもので、軽めの食事をご希望なら洋食を選ぶとよい。路線で異なるが食事はANAらしさがでていて個人的には⭕️。


 逆に改良が望まれるのはエンタテインメントシステム。コンテンツはともかくナビゲーションは精度不足。それでも総合得点では結構いい線いくと思う。