自動氷販売機に注意

 

 アメリカ人のテンションは常に高い。あのテンションの結果として(発熱するためか)氷を常に使っている。ビールの看板にも"Ice Cold Beer"と書かなければ、客が来ない。

 

 ロンドンのMacDonald'sでは、"With ice"というと、申し訳ない程度の氷が浮かんだドリンクになる。"With lots of ice!"と念を押さないとダメだ。

 

 西部のドライブ旅行では日課が朝早起きして、Ice Machineにクーラーボックスを持って行き、氷(Crashed ice)を1/3くらいにする。決して素手で取ったり、氷でクーラーボックスを満杯にしてはいけない。これらは暗黙のルールである。実際、寝坊してIce Machineに行くと空状態で製氷中となる。

 

 ドライブしていると昼過ぎには氷がなくなる。なのでどこかで新しく仕入れる必要が亜有る。そんな時、上の写真のような自動販売機をみつけることが出来れば、幸運である。

 

 購入する時に注意することがふたつある。ひとつは自動販売機が壊れている可能性があることだ。アメリカの自動販売機が壊れている確率はかなり高いので要注意だ。次に最終ボタンを押すときの選択肢、"Crashed"と"Block"のボタンである。

 

 これを間違えるととんでもないことになる。一度だけ"Block"ボタンを押してしまった。"Crash"は溶け易いので、大きめのブロックででてくる、と思ったのだ。次の瞬間恐ろしいことが起こった。全体がひとつの塊の氷がドスンと出て来たのである。上の写真の左がCrash用、Blockは右のスロープから落ちてくる。

 

 このときは焦ってクーラーボックスに入れようとしたがダメだった。氷が巨大で重かったからだ。しかたなくそのブロックをスロープ下に置き去りにした。誰かが拾って有効に使ってもらうことを期待して、その場を離れた。

 

 近くのレストランで食事をしたあと、小一時間後に気になって現場に戻って来た。(犯罪者が現場に戻る心理である。)灼熱の太陽の下で巨大なブロックはびくともせず、存在感を放っていた。誰も使えるサイズではなかったのだ。

 

 それ以来、自動販売機では慎重になった。