昔はセブに住むアメリカ人の(男性)が外出する時の「3種の神器』といえば、ジーンズ、マネークリップ、そしてスニーカーであった。
今ではめっきりみることがない1970年代後半の光景が懐かしい。細めのジーンズにいまでいえばアバクロポロシャツにスニーカーの男達が店で買い物してレジでお金を払う時に、無造作にジーンズのポケットに手を突っ込んでマネークリップを取り出して、お金を払う。
それがカッコいいので憧れたものである。マネークリップにお札を入れすぎるのはカッコわるい。
その頃は写真のようにクレジットカードをマネークリップで持ち歩く習慣はなかった。マネークリップはいま考えると「大人の証明」のようなもので、未成年は持ち歩けなかった。というより青年が持っても似合わなかった。
当時の西海岸に近い州では余裕があればスーパーはセーフウエイ、衣服はJC Penny、安物衣類はK-Martと相場が決まっていた。
COSTCOのカートは当時から変わらないアメリカンサイズで、食品をあのカートに山盛りにいれて50ドルくらいだった。安いと思う前に当時のレートで計算して欲しい。固定レートは360円/ドルなので50ドル=18,000円だ。COSTCOで食料品を一杯にしてもたかが知れている。
なのでマネークリップには10ドル札を4-5枚いれておけばよくて、ジーンズのお尻のポケットにちょうどよくなるサイズだ。
ジーンズの側面ポケットにコインをいれれば買い物に行く準備は整う。
ところがいまはアメリカ人の支払いの挙動がおかしい。日本人のように財布を取り出してコインを数えるなど、およそアメリカ人にはありえない行動なのだが...
当時も今も大量の現金を所持して買い物しているのは、アジア系で、アメリカ人の現金所有度ははるかに少ない点は同じなのに、マネークリップがすたれたのは都市化と財布を崇めるアジア文化が浸透したせいなのか。たぶんクレジットカードが家族に普及したこともあるのだろう。
マネークリップで大人になった時代が懐かしい。
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