ローマのスペイン坂を下るとコンドッテイ通りがある。たいていの人は坂をおりきるとそちらに吸い込まれて行く。しかし坂を下らずに右手に歩いて行くとローマ市内を見晴らしつつコンドッテイ通りの喧噪をさけて散歩が楽しめるお気に入りの散策コースがある。
ローマの泥棒の多さはダントツであるが、あるとき怪しい警官に声をかけられた。ドル紙幣は麻薬(コカイン)に汚染されているのだ、臭いでわかるからお札の臭いをかぎたい、といってニセ警官はイタリアの警察官が持つはずの無いバッジをみせて詰め寄る。
ドル紙幣をつかんで差し出すフリをして、半分を力を込めて握りしめて目の前に突き出してやった。ドル紙幣の引っ張り合いになったが最後まで力を緩めなかったので、間抜けなニセ警官は最後にあきらめた。
しかし流通しているドル紙幣の90%がコカインに汚染されているのは事実だ。紙幣にコカイン汚染がみられる原因は様々だが、銀行の現金自動預払機 (ATM)で紙幣をおろすことが多いので、紙幣間の接触で麻薬の「伝染」が加速する。汚染がひどい紙幣は上の写真のように回収されるが、それでも追いつかない。
エボラ出血熱で汚染された紙幣やコインが出回ったらどうなるのか。今回のエボラウイルスは潜伏期間が最大42日であり、キャリアから飛び出しても数日、生きている。この期間中に紙幣が他の紙幣と混ざり合い、ウイルスの拡散に一役買う。
下の写真は有名なインフルエンザパンデミックでOaklandの赤十字病院に隔離された患者達である。エボラ出血熱の拡散に紙幣が関与する事ことも有るかもしれない。もしろん紙幣の中の「ピラミッドのプロビデンスの目」は何の役にたたない。
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