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イリノイ大学の研究グループは従来の逆浸透圧や電解技術より低コストの海水の淡水化技術を開発した(Porada et al., Electrochimical Acta 255, 369, 2017)。この新技術により海水の淡水化が必須な中東諸国や、海水面の上昇で海岸地域が地下水汚染で農作物への影響を受ける国々が大規模淡水化システムを低コストに整備できるようになると期待されている。
Credit: Electrochimical Acta
また世界中の水資源の需要が増えている中で安定に淡水を供給できる。研究グループはNaイオンバッテリーの基本原理で淡水化を行う理論的解析を行い、可能性を検討していたが、NaイオンとClイオンを含む電極を用いる淡水化の可能性を検証した。
今回の研究ではプラシアンブルーに似た新しい電極材料を用い、Naイオン以外にCaイオン、Kイオン、Mgイオンも除去できる。従来技術では逆浸透圧法では巨大な化学プラントが、電解法では電力源が必要で、建設コストと維持コストが普及の阻害要因であった。
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