スマホ感覚のe-シェアバイクMobikeが人気

19.07.2017

Credit: Mobike

 

アムステルダムから列車で2時間半のフローニンゲンは自転車の都市として知られる。車の走行は右折禁止のために迂回せざるを得ないので、市内のどこに行くにも自転車の倍以上かかる。市内は自転車で溢れ駅には1万台の立派な自転車の駐車場が設置されている。

 

フローニンゲンの自転車は個人所有であるが、都市部での車の規制が強ま流とともにニューヨーク州のバイクシェアの動きが国境を超えて世界中で加速している。

 

NYCのシェアバイク

ニューヨーク州のCITI BIKEと呼ばれるシェアバイク(シェアサイクル)は2013年6月から始まり、初年度から6,000台がマンハッタンの59丁目以降とブルックリンに300以上のステーションに設置されている。ステーションマップによれば、急速に増殖が進みマンハッタンはどこにいってもステーションがみつかる。

 

パリのシェアサイクル

2007年の導入に始まるパリのシェアバイク、Velibはパリ市民や観光客にとって狭いパリ市内での移動手段として成功し定着した。混雑した地下鉄を避けられるため通勤者にも人気が高い。また買い物などの日常生活に組み込まれたシェアバイクは1日1ユーロ(約130円)、1週間5ユーロ、年間29ユーロと低コストで済むため、手頃な移動手段となっている。街並みにマッチしたグレーのVelibバイクは駐車ステーションにある自動券売機でチケットを購入すれば即使用可能、返却は街中に設置されているステーションのどれでも良い。下の写真がVelibステーション。

 

 

Photo: hipparis

 

中国はe-バイクシェアMobike

中国では都市部でスマートバイクの整備が加速しており、Mobikeの利用者は1億人にもなる。中国都市部での成功の勢いで欧州や米国にも進出する機会を伺うMobikeとはどのような特徴があるのか。

 

 

これまでのバイクシェアがステーションに設置され貸し出しや返却がステーションであったのに対して、Mobikeはスマホアプリを使って使用できる貸し出し・返却の場所の制約がない。自転車にGPS機能がついているために、どこに使用可能なMobikeがあるか検索ができる。ユーザーはアプリを開いて周囲のどこに使われていないMobikeがあるかを見て、それを借り出せば良いのである。

 

Mobikeのアルミフレームの車体には従来の自転車のチェーンはない。チューブレスタイアを駆動するのは車と同じ駆動軸であり、ブレーキもまた車と同じデイスクブレーキである。つまりMobikeは充電式電気自転車なのである。スマホで使うMobikeはスマホのように利用者が自分で充電して使うことを前提としている。

 

Mobikeは15カ月足らずで150都市に600万台が展開され、一日2,000万人の足として使われている。Mobikeは年間売り上げ10億ドルの最大のライバルTencent社についで6億ドルの収入を記録した。同社はマンチェスター、シンガポール、東京にも進出を予定している。

 

筆者は中国の大学の自転車置き場で自転車に乗ろうとする女性がスマホで何か入力しているのに興味を持ち、何をしているのか尋ねて見た。彼女はスマホで自転車が使えると言ってマップをみせた。それがMobikeであることを知ったのは2カ月後だった。猛烈な勢いで増殖したMobikeが東京にもやってくる。すでに個人の自転車が多いことや公共交通機関が充実していたせいもあり、東京はまだシェアバイクの実験中であるが、スマホ感覚で電気自転車が利用できるMobikeは競争力が高いシェアバイクとなるだろう。