インターステラーを狙うオリオン

Sept. 13, 2014

 

 

 11月に公開予定のSF映画「インターステラー」は食糧難で人類が絶滅に瀕した地球から、惑星間宇宙飛行で新天地の惑星に移住しようとする試みを描いている。地球の人口爆発を支えきれない近未来、水と食糧が不足して人類が争うことは避けられないとみられている。


 そのため地球人口を調整する動きもあるほどだが、GMO食品や水質汚染の問題が危機を早めている。そんななかで荒唐無稽な地球脱出計画さえ現実味を帯びてくる。

 NASAはスペースシャトルの代替えでISS宇宙ステーションへの輸送ミッションのためにオリオン(Orion)宇宙線を開発中である。NASAは開発の段階であるにもかかわらず、オリオン宇宙船を小惑星の有人探査にも使うことを決定した。形状は円錐形のアポロ宇宙船のコマンドモジュールに似ていて、デルタIV Heavyロケットの先端部に取り付けられて、発射される。アポロ同様にオリオンも円錐形の機械モジュールに取り付けられる。

 オリオンはアポロに比べて3倍の容積を持ち、最大6人の宇宙飛行士が搭乗できるとされている。この乗員数はISSへの往復に6名のクルーでミッションをこなす条件に合致している。しかしその開発スケジュールはNASA予算の縮小もあって大幅に遅れたあげくに、経済危機で計画自体が一時中止となった。


 その後、大幅に計画を縮小してスタートしたが、危機感を持ったNASAは火星をターゲットとする惑星間飛行を視野にいれて開発を進めることを決定した。

 このほどようやくオリオンの試験機が公開され、機体は12月4日にケネデイ宇宙センターから打ち上げられ、2030年台に本格的な火星旅行計画が始る予定である。財政的な危機は毎年の年度予算の成立も容易でない米国が中東の戦争に介入すればさらに予算が圧迫される。


 オリオン宇宙船が映画インターステラーのように人類移住計画につながるのかだろうか。