Superspreadder (スーパースプレッダー)

Oct. 20, 2014

 

 すでにSARSの感染の死者数を上回っているエボラ出血熱ではチャールズダンカン氏など特定の感染者が周囲にウイルスをまき散らし、多くの2次感染者を出している。患者のせきを浴びたり、痰や体液等に直接触れる等の濃厚な接触で感染するなどSARSとエボラ出血熱の間には空気感染を疑わせるほど高い感染能力が共通点である。


 

 SARSの感染経路を調査すると、患者によって周囲への2次感染能力に際立った差があることがわかった。10人以上への感染拡大の感染源となった患者がスーパー・スプレッダーと定義される。パンデミックはどのようにして起こるのか。

 病院では1名の患者の世話をする複数の看護師がつく。彼らは感染しないための準備と患者と接触を最小限にする基本的な心構えがみについていたはずである。それにも関わらず医師、看護師、同室の患者、見舞い人さらに掃除人など間接的な接触だけでもウイルスは猛威をふるう。これは伝染性が強くキャリアから飛び出した飛翔体でも生きながらえる生存期間が従来のウイルスでは考えられないほど長いためである。

 

 
 一方、感染者が病院に収容される前に体調が悪い、すなわちウイルスが増殖した状態にも関わらず、スーパースプレッダー達は普段と変わらず出勤したり、街に繰り出す。病気にかかったときすぐ仕事を休んで病院に行く人と我慢強く体調変化を隠して普段の仕事に埋没する。アジア人は後者が多いことはSARSの感染拡大につながった。

 スーパースプレッダーとなり易い体質があることは確実だが、解明には至っていない。事例をあげると64歳の患者は病院相手の業者で、この患者から12人医療従事者、入院患者、家族、見舞い客、乗車したタクシーの運転手、職場の同僚)へ直接感染が拡大し、40名の2次感染者をだした。1名のスーパースプレッダーから最大250名への感染が報告された。幸い3次感染は少なかったため終息したが、結局未確認を含む8,454人の感染者と792人の死者をもたらした。

 


 スーパースプレッダーの解明が急がれると同時に、一般の病院で手に負えないことは明らかであるから、隔離病棟を応急でつくり一カ所に患者を隔離して感染経路を断ち切ることが必要である。