不死身の747ーダッシュ8

Oct. 28, 2014

 

 4発機の古参である747は747ダッシュ8(747-8)で巻き返しに出た。747-8は胴体を10m、翼巾を5m延長しスマートになった。エアバス社 はA340とA380という2種の機体を販売するため、ボーイング社は蓄積のある747を改良して対抗したのである。747-8の思惑はA-380計画の 中止で一挙に市場を独占しようとするものであった。

 

 以前は太平洋路線等の大陸間飛行には安全性の面で4発の機体が義務づけられていたため、ボーイング747やA-340、最新のA-380では主翼に大型 ターボファンエンジンをぶら下げることになった。しかしターボファンエンジンの安全性が向上したことと、航空運賃に燃費の占める割合が大きい事から、双発 エンジン機が長距離路線に就航している。

 

 2階建てデッキの革新的なA-380はエアバス社が社運をかけて市場に送り込んだため、このカテゴリ では勝ち目のない機種となった。通路が2列のワイドボデイ機はエアバス社とボーイング社が機体の2台メーカーであり、ターボファンエンンジンは米国のプラットアンドホイットニー(P&W)社と英国のロールスロイス社の一騎打ちであることはすでにかいた。



 現在、各社の主力は双発のボーイング777、やや小型で最新の787とエアバスA-330、350XWBが競合関係にある他、セミワイドボデイ機カテゴリでは767とエアバスA-310、A330-200の選択肢が各エアラインに与えられている。ターボファンエンジンは787ではP&W社とロールスロイス社のTRENT1000のいずれにも対応できるように、電気接続のインターフェースが標準化された。

しかし747-8ではではなくゼネラルエレクトリック(GE)社のGEnxであった。TRENTの低燃費に劣らないGEnxも優秀なエンジンであるがそれまでのP&W社エンジンを使用しなかった理由は開発費をGE社がエンジン独占権と引き換えに出した経緯による。このためエアラインはエンジン選択権がなくなった。



 A-380も747-8もローンチングカスタマはルフトハンザ航空であったが、A-380は中東エアラインが100機単位という型破りの大量発注で採算ラインをクリアし、巨大な機体が世界の空を飛び回りかつての747のように安心感を与えている。

 ルフトハンザ航空は最新鋭機を拠点のフランクフルトと日本を結ぶ路線に就航させることで知られる。747-8の貨物型はこの10月に羽田—フランクフルト路線にデビューした。747-8はコックピットや主翼の改良で、基本設計の古さは残るものの、燃費でそれまでの747のような無駄はなくなった。A-380は空港が制約されるので、空港を選ばない4発機はA340か747-8という選択肢になるが、A-340は261-295席、747-8は450席なので、微妙に競合が避けられた。可能な限り一機あたりの旅客数を増やすにはデッキが2段のA-380専用ターミナルを持つ場合はA-380を選び、そうでない空港の路線には747-8が最良の選択肢である。JALもANAも大型機に興味はないらしい。その方向性が吉と出るかどうか数年でわかるだろう。

 

下の写真は近代的なフライバイワイアーの747-8コックピット。