クリーンルームde農業

Oct. 24, 2014

 

 農作は土から、という概念が古くなりつつある。室内で栽培する利点は品質・生産量が一定で管理しやすく、食糧不足問題に対する解決方法の一つと考えられているからだ。日本でも東北の半導体クリーンルームが農業に転用されている。福島県会津若松市において半導体工場のクリーンルームを転用し、大規模植物工場の実証事業が開始された。植物工場は2000m2の実装面積を持ち、低カリウム野菜を栽培する。低カリウム野菜を栽培する植物工場としては「国内最大級」となる。

 このような動きは世界各地でも同様で多くの実証実験が計画されている。たとえば、フランス、スウェーデンはPLANTAGON、アメリカはVertical Farm

Projectなどである。
 

 

 ただし室内でで生産できる野菜は基本的に水耕で、適さない野菜もある。環境の最適化は試行錯誤の段階のようである。今後、農作物以外でも畜産・水産について室内生育させる試みも始まるかも知れない。いずれの場合もきめ細かい飼育条件の制御には精密な制御ソフトやセンサ技術が必要不可欠であるが、それらは日本の特異とする分野だ。

 東京でも元りそな銀行大手町支店の空き地下金庫跡スペースでハイテク農作物栽培実験が行われている。光合成に必要な波長は650~710nmの赤色(光合成の促進)と400~500nmの青色(葉・茎などの形状を整える)である。太陽光の代わりに白色LEDを用いる。また人材派遣企業のパソナが旧大和証券本社ビルで、電通ワークスもカレッタ汐留に菜園向上を展開している。

 

 
 白色LED光を使うことで、24時間光を当てて育成できることから利点も多い。収穫が短く、無農薬で害虫がいない、天候に左右されない、品質管理および生産量を一定にできるなどである。環境の整った室内で栽培する利点は品質・生産量が一定で管理しやすく、食糧不足問題に対する解決方法の一つと考えられている。下の写真は都会に建てられたグリーンハウス。