インターネット課税の動きが活発化

Oct. 27, 2014

 

 

 走行距離に比例した課税についてかいたが、インターネット課税も再び注目されている。先週ハンガリーで、インターネットのデータ使用量に応じての課税の法案が議会に提出された。法案が成立されると、世界各国でインターネットや携帯電話への課税の導入を検討する動きとなる恐れがある。



 ハンガリーの法案によると、課税はプロバイダー業者を対象としているが、利用者にもコストの負担を求めるのは避けられないとされている。2015年からプロバイダー業者は1ギガビット当たり150ハンガリーフォリット(約66円)が課せられる。インターネットの年間データ使用量に応じての課税では、約200ハンガリーフォリット(約88億円)の税収が見込めるとしている。ハンガリーはEUの中でも最も債務残高が高く、国は破綻の危機に直面している現状において、新たな税収源は不可欠である。



 法案の発表直後から、市民からの抗議が殺到。政府は法案の修正にあたった。利用者から徴収できる税額の上限を月700ハンガリーフォリット(約310円)、事業者に対しては5000ハンガリーフォリット(約2220円)とすることを発表したが、週末には、数万人の市民が怒りの反対デモを行った。


 日本でも、携帯電話・スマートフォン課税が再び検討されている。課税の論理は、電波は有限の資源であるため、電波料としての課税の対象となることである。今では、スマートフォンを2台もっている人も少なくない時代である。スマートフォンの契約数が日本の人口を上回るなか、ハンガリーと同じように、利用者に数100円を課税することで、1兆円規模の新たな税収を見込めるとなれば、政府は真剣に課税を財政赤字の穴埋めの財源として導入したがるのではないか。



 世論の80%は反対である。消費税10%に引き上げることができないことが濃厚となった今日、国民の反対を仕切ってでも、課税の導入に踏み切るかが今後注目される。