少数派となる英国のキリスト教徒

11.02.2016

Photo: Pastoral Meanderings

 

宗教改革後にローマ正教が少数派になったように英国のキリスト教徒が少数派になった。ロンドンのウエストミンスター大司教らは危機に瀕したキリスト教を救うため宗派を超えた団結を訴えている。

 

英国とウエールズのカトリック教会の事実上のリーダーであるCardinal Nicholsは英国のカトリック教徒は宗教改革時の迫害の時代のような少数派となったことを明らかにした(The Telegraph)。

 

Nicholsはさらに今までキリスト教徒にとって当たり前のことであった慣習もこのため見直さなければならなくなると述べている。1週あたりの教会の参列者数が100万人を初めて割り込み、教会へ行く人が人口の1.4%に落ち込んでいる(Breitbart London)。

 

この統計は1960年代に比べて教会参列者が1/3になったことを意味している。そのためカンタベリー大司教のJustin Welbyは反キリスト主義が蔓延ると懸念している。

 

キリスト教の宗派によっては教徒数がここ数年減少の一途をたどっているものもあったが、総数でも英国のキリスト教徒数が第二次大戦以降、毎年1%づつ減っている。

 

社会が反キリスト教に転じれば性道徳や生誕や葬式の文化が消滅するといった深刻な文化的危機につながるとしている。英国の移民は350万人以上と言われる。これに加えて押し寄せるシリア難民で、ロンドンの路上には3万人以上のホームレスがあふれ、イスラム教徒たちが勢力を伸ばしつつある。

 

急激な移民・難民の増加が経済成長を妨げるとの見方が多くなっているが反キリスト勢力によってキリスト教に根ざした固有の文化さえ失われかねない情勢になった。