食料危機を救うSmart Floating Farm

May 29, 2015

Photo: Mailonline


 快適な生活を送れるとは思うが、清水建設の「グリーンフロート」よりもっと単純にメガフロートのグリーン化を考え食糧難に備える計画を提案する提案があらわれた。


 清水建設が計画している「グリーンフロート」とは人口の島(メガフロート)同士をつないで海上都市をつくるものだが、住民は大気の変動を受けにくい1,000mの高さに居住するものであった。


 新しい概念のメガフロート、”Smat Floating Farm”は温室栽培の「ビルなか農場」をメガフロート上につくりそれらをつなぎ合わせただけの簡単な構造物であるが、人類の直面している食料危機を乗り越えるかもしれない。



Photo: Mailonline


 メガフロートが流れていかないために、石油採掘の海上プラントを固定する既存の技術を利用する。さらに温室農業の他にメガフロートでは漁業(養殖)も行い、最大のポイントは食糧難の地域に移動していって、新鮮な農産物、魚介類を供給できる点だ。

 

 写真の”Smat Floating Farm”はバルセロナの設計チームのデザインによるもので、170万トン・年の漁業生産高を可能とする。電力はスペインらしく天井前面に設置された太陽電池パネルで行うが、アフリカ沖など赤道に近い設置場所では太陽の位置が高くパネルは最も簡単な水平設置で十分。電力供給に問題はなさそうだ。

 

 2050年までに地球人口は92億となる予測だが、その70%が食料不足に陥るとみられている。”Smat Floating Farm”は階層になっていて、1階が漁業、2階が農業フロアとなる。計画では8.15百万トン・年の供給能力を備え、170万トンの漁業生産とともに食料難の地域で食料供給減となる。

 


 グリーンフロート計画は富裕層向きだが、Smart Floating Farmはもっと現実的。食料危機に人間が賢さを発揮して乗り越えることができるかもしれないという希望を持たせる。何より太陽光パネルと水栽培、養殖、メガフロートと海上係留技術は全て既存の技術であることで、つくる意志があればすぐつくれるということが特徴。