守られない米国債務上限

Jan. 5, 2015

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

史上最大の債務

 2014年2月に連邦債務上限の適用を停止する法案により、債務不履行を回避することができたが、その法案の適用も2015年3月までである。一年を振り返ってみると、米国債務の状況は改善されるどころか、歴史上初めて18兆ドルを超えたのである。


 米国債務に関しては、毎年上限を超えるたび、議会で債務上限の拡大をめぐり論争、政府機関の閉鎖などの騒動が起きる。最終的には債務不履行を避けるため議会で国債の追加発行が承認される。

 


拡大が加速した6年間

 オバマ政権が発足した2009年には、米国債務は10兆625億ドルであった。そこから毎年債務上限の拡大を必要とする状況が続いている。大統領選挙の公約の1つであった財政債務の改善とは反対に、米国債務は70%も拡大したのである。

         

           債務上限     政府総債務残高

2010    12.394兆ドル        14.790兆ドル

2011    14.294兆ドル        16.066兆ドル

2012    16.394兆ドル        16.738兆ドル

2013       16.700兆ドル        17.824兆ドル

2014       17.201兆ドル        18.141兆ドル

  

























Source: U.S. Treasury

 

 

 米国債務の拡大は主に、税収減と失業保険、社会医療、高齢者や障害者医療保障、年金などの社会保障の増加によるものである。格差と貧困が深刻化するなか、ますます米国は債務状況の改善が不可避となってきた。




















 政権によらず増大する一方の債務。

Source: U.S. Department of Treasury