銃規制をめぐり対立を深める米国民と政府

06.12.2015

Photo: Vote Now


 サンバーナーディーノの福祉施設での乱射事件後、これまでの乱射事件の直後と同様に、オバマ大統領は銃規制強化を訴える反面、銃器の売れ行きは20~30%増えている。ニューヨーク・タイムズ紙は95年ぶりに1面での社説で銃を合法的かつ容易に購入できる現状を「国家的な恥辱」であると批判したが、米国社会では銃規制より、自衛のための銃器に関する正しい使い方の教育、情報、訓練の必要性と強化を求める動きが広がっている。


補正第2条

 アメリカで銃を所持することはアメリカ合衆国憲法補正第2条(Second Amendment)によって守られているアメリカ人の基本的人権である。しかし、銃販売、保持するための許可証の取得、使用など銃に関する法律は州によって異なる。カリフォルニア、アイオワ、メリーランド、ミネソタ、ニュージャージー、ニューヨークなどの州は銃規制が厳しく、銃の所持禁止区域が設定されている。全米で適用されている銃規制は銃販売店は購入者の身元調査を義務づけ、未成年者や前科者、麻薬中毒者、精神病者への販売の禁止、一部の自動機関銃などの攻撃用武器の販売を禁止する法律である。


減少している銃犯罪

 ワシントン・ポスト紙は123日に、銃犯罪は銃の所持禁止区域、いわゆる「ガン・フリー・ゾーン」における銃乱射事件を除けば、銃犯罪は過去20年間減少していると報じた。1993年に100,000 人ごとに銃犯罪による死亡者が7 人であったのに対し、 2013年には3.6人に減少している。米図書館議会調査局の銃犯罪に関するレポートによると、銃犯罪の減少は個人の銃保持件数の上昇と相関関係にあると指摘している。つまり、1993~ 2013年の間に個人の銃保持者が倍増したのに対し、銃犯罪による死亡者が半減したことになる。最も増加を見せたのは小型拳銃の保持である。

 

Source: Congressional Research Service

 

 

銃所持禁止栗城の乱射事件の増加

 2011年以降、銃所持禁止区域での銃乱射事件が劇的に増加している。もはや、「日常的」とも言っていいほど頻繁に起きている。ハバード大学とノースイースタン大学の研究者チームの調査によると、1982年には平均して乱射事件は200日に一件であったのが、 2011年から64日ごとに1件と、頻繁に起きていることを指摘している。

 

 銃所持禁止区域での乱射事件には、最近起きたサンバーナーディーノの福祉施設のほか、今年は6月にはエマニュエル・アフリカン・メソジスト監督協会の乱射事件、7月にはラファイエット映画館乱射事件とチャタヌーガ海軍施設乱射事件、10月にはオレゴン州のアムクワ・コミュニティ・カレッジ乱視事件が起きている。2012年のサンディフック小学校乱射事件や2013年のワシントン海軍工廠銃撃事件といった多数の死者をだしている乱射事件は全て銃所持禁止区域で起きている。

 

 

 皮肉なことに死者4人以上の乱射事件が多く起きているのはオバマ政権下であった。また銃規制の強化を最も強く求めるのもオバマ大統領である。ここには何かの関連性が見えてくる。乱射事件をきっかけに銃規制の強化に走る政府と銃を保持する国民の増加が逆の傾向にあることから、銃規制の強要は国民と政府の溝を深めることになる。