ホーキング博士の2600年地球滅亡説の真意

14.11.2017

Photo: mirror

 

2600年に地球が火の玉となって人類は滅亡するから他の惑星しなけれならないというのが本当なら、火星移住計画の推進派にとっては願っても無い警告だが、2600年に何が土嚢な理由で起きるのだろうか。

 

ホーキング博士によれば滅亡の危機の原因は地球外天体の衝突や地球温暖化などの自然災害ではなく、今後の600年のうちに人類は地球全体を火の玉となるような規模の戦争を起こすからだそうだ。

 

人口増加とエネルギー不足で戦争が勃発

ホーキング博士はこれまで増え続ける人口とそれに伴うエネルギー不足が戦争原因になるとしている。そのため人類は早期に他の惑星移住計画を進めるべきだという警告は、これまでの推移から深刻度は高い。またホーキング博士によれば、最も適切な移住先の恒星系は太陽系から4.39年離れた場所にあるケンタウルス座アルファ星(注1)とし投資家に移住に先立つ調査研究への出資を働きかけている。

 

(注1)太陽の1/7の質量の恒星プロキシマ・ケンンタウリを公転する惑星プロキシマ・ケンンタウリbは地球の1.3倍の質量を持ち惑星表面に水が存在する可能性がある。

 

20年以内に人類は光ビームに乗って(つまり光と同じ速度で)移動するプロキシマ・ケンンタウリ(注2)をアルファ星恒星系に送り込む。このナノ探査機の速度では火星まで1時間、プルート衛星に数日で到達することができ、アルファ星には20年かかる。一方、ホーキング博士はAIロボットが労働力を担うことに関しては否定的である。本来はAIロボットは雇用を奪い人類に不幸をもたらすとして度々警告してきた。

 

(注2)ホーキング博士が主導する惑星間航行計画スターショットではプロキシマ・ケンンタウリまでスターチップというレーザー推進のナノ探査機を送り込む。ナノ探査機に生命体を凍結して移動する提案があるが、光に近い速度で移動後の減速に関する論文が発表された(Gros, J. Phys. Comm. online Nov. 13, 2017)。

 

人類が20年かけて向かう先はケンタウルス座アルファ星

どうやらホーキング博士の2600年滅亡論は人類が立ち向かうべき、人口爆発とエネルギー危機、AIロボットによる人間性の欠如がもたらす最悪のシナリオを示すことによって、解決すべき問題を直視して一歩一歩進めて行くことを期待するかのようである。2600年への外挿では人口増大による飢饉とエネルギー危機で戦争状態が世界中で起きることは目に見えている。その時にはより進歩した世紀で全面戦争を火の玉と表現したのだろう。移住が成功しているかを別にすれば残念ながら、そうなる現実度は低くない。

 

Updated 15.11.2017 21:17

太陽系外ではプロキシマbに次いで地球から2番目に近い(11光年)惑星ロス128(恒星)の惑星ロス128bが新たに移住先候補として 有望であることがわかった。質量はプロキキシマb同様、地球の1.35倍だが環境がより過酷でないとされる(時事通信)。

 

移住先候補惑星の環境は今後、詳しく調べられることになる。