メルケル体制の終焉 Part 4

09.02.2018

Photo: spiegel

 

 ドイツのメルケル首相と社会民主党(SPD)は連立協議を終え、6日に大連立合意に達した。SPDに重要で影響力のある外務相、財務相、労働社会政策相のポストを引き渡すことで、4期目の政権樹立への道筋をつくった。しかし、その代償は大きく、メルケル首相が率いるキリスト・社会同盟(CDU・CSU)は国務相と経済エネルギー相のポストを獲得したものの、政策転換を余儀なく受け入れる形となった。

 

難関となるSPD党員投票

 両党幹部が大連立合意に達しても、直ちに新政権が発足する訳ではない。約45万人のSPD登録党員による党員投票が行われ過半数賛成がなければ、大連立は発足できない。また、投票が終了するまで、約3週間かかるとされ、新政権の発足は早くて3月後半以降となると思われる。

 

 党内でも大連立に賛成しているのは56%と分裂しており、反対勢力の拡大で過半数賛成を得られるかは不透明である。SPD党員や有権者の間でも半数またはそれ以上が連立に反対を示している。特に、連立協議が始まってからSPDへの国民支持率も急落している。最新の世論調査によると、CDU・CSUの支持率は33%と安定しているのに対して、 SPDの支持率は連立協議前と比べ、3ポイント下がり18%に落ちている。

 

Source: ARD DeutschlandTrend

 

 さらに、SPDのシュルツ党首への支持も急落、2017年12月に39%あった支持率はいまでは25%まで下落、党の運営や方向性への不満が増していることを示している。

 

 

 世論調査の結果では、CDU・CSUとSPDによる大連立でも51%の支持率にとどまり、誤差を考慮すれば、過半数を得られないことも考えられる。その場合、メルケル首相に残された選択肢は少数与党内閣か再選挙となる。しかし71%のドイツ国民は選挙から4カ月経っても政権発足ができないことを理解できないと答えている。メルケル時代は混乱の中で幕を閉じようとしているが、その先も不透明で今後も混乱が続く。

 

 

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