アイスランドが挑む地下4.7kmの自然エネルギー利用

09.05.2017

Photo: peakoil.com

 

立地条件を選ぶが安定に再生可能エネルギー取り出せる地熱発電は将来のグリーンエネルギー源として期待が高まっている。アイスランドのヘリシェイデイ発電所は首都レイキャビクに電力を供給する世界最大の地熱発電所である。

 

同発電所はまたCO2を石に変えて地球に戻す計画にも積極的に取り組んでいる。火山の熱にでつくられた地下温水を利用してタービンを回す。その際に、CO2を大気中に戻さないため、また爆発を防ぐためにも水蒸気に含まれるCO2を地下処理するpウロジェクトがCarbfixである。

 

そのアイスランドでノルデイックの神(Thor)と呼ぶ火山の深部から熱エネルギーを回収しようとする計画が進行している。この試みが成功すれば1箇所で油田1基の10倍となる自然エネルギーが得られる。2016年8月から開始された掘削工事は2017年1月25日に地下4,659mに達した。この深さの温度は427度となり水蒸気でタービン発電が可能な温度となる。

 

アイスランドは1970年代の石油危機以来、化石燃料に代わる自然エネルギーとして地熱発電の技術開発を行なってきた。アイスランド深部掘削プロジェクト(IDDP)で掘削を行う企業はHS Orka。その後の調査で高温・高圧の環境下で水が超臨界状態となっていることがわかり、熱効率が飛躍的に上昇して1基あたりのエネルギー回収が10倍になる。

 

 

Credit: IDDP

 

“700年前の活動が報告されているThor”火山などこの地域(Reykjanes )の火山は自然エネルギーの宝庫であることがわかった。CO2削減にも大きく貢献しながら、再生可能エネルギー利用という一石二鳥となる新しい地熱発電技術に期待がかけられている。