2020年米大統領選にヒラリー・クリントンの出馬はあるのか

15.10.2019

 ヒラリー・クリントンが2020年米大統領選に出馬する可能性が高まっている。テレビ出演、ブックツアー、公演などまさに、民主党候補として選挙活動を開始したように積極的に活動している。最近では、クリントン氏は現在の17人の民主党候補者を全員支持しないと宣言したうえ、トランプ氏との再挑戦の可能性を示唆した。

トランプ大統領に勝てる民主党候補の不在
 圧倒的な人気を保っていた民主党のジョー・バイデン元副大統領(オバマ政権)はウクライナ疑惑で勢いを失い支持率が低下した。さらに、バーニー・サンダース上院議員は心臓発作を起こし緊急手術を受け健康上の懸念が浮上したことで、民主党は2人の有力候補を失った。その結果、エリザベス・ウォーレン上院議員の支持率が急上昇し、バイデン氏の支持率を上回り初めて首位にたった。

 

 この支持率上昇の勢いに懸念を示しているのが、ビジネス界、特にウォール街と富裕層である。ウォーレン氏は、法人増税、保護主義的貿易政策、金融、医療、エネルギ産業での規制強化、格差是正として富裕層への課税強化(5000万ドル超の資産に年率2%、10億ドル以上には3%の富裕税)、GAFA(グーグル、アップル、ファイスブック、アマゾン)の会社分割などの政策を掲げている。

 そのため、民主党支持のウォール街大口献金者の多くは、ウォーレン氏が民主党候補に選ばれた場合、共和党のトランプ大統領支持に寝返る可能性を示唆している。ウォール街の支持がなければ、民主党が2020年の大統領選でトランプ大統領に勝利する見込みは難しい。

 

ヒラリー・クリントンの出馬の可能性
 ヒラリー・クリントン氏はどの民主党候補と比べても、出馬すれば圧倒的な資金力で優位な立場にある。興味深いことに、2016年のクリントン氏の公式選挙スローガンで、選挙活動事務所名であったHillary for America(ヒラリーをアメリカのために)は大統領選の敗北後に閉鎖されていなかったことである。連邦選挙委員会によると、Hillary for America に2019年の1~6月の6カ月間で16.6万ドルの献金が集まり、総額65万ドルの献金がある。クリントンは2015から2016年の大統領選の最中では5.85億ドルの献金を集めているだけに、その資金力を上回る民主党候補はいないともいえる。

 

 現在アマゾンでは、”Hillary 2020”、”I’m With Her Hillary 2020”, “Hillary Clinton for President 2020”などのT-シャツが販売されている。まるでクリントン氏の出馬を控えているキャンペーン活動と考えてもおかしくない。

 ヒラリー・クリントン氏のコアー支持層は少なくとも25%あると思われる。これは、どんな状況に置かれてもクリントン氏を支持する有権者層である。これほどの強い支持層を持つ民主党候補はいない。

 

 最新のRasmussen世論調査では、クリントン氏が民主党候補となった場合、トランプ氏との支持率の差はなく、同じ45%の有権者支持率となっている。しかし、大統領選への出馬を巡っては支持した18%に対し、71%の有権者は出馬しない方がいいと答えている。

 

 ヒラリー・クリントン氏が2020年の大統領選に出馬するかどうかは不明であるが、トランプ大統領に勝てる見込みがある民主党候補がいないとなれば、ヒラリー・クリントン氏の出馬の可能性は高い。