米国大使館移転で中東和平に進展の兆し

25.02.2018

Photo: ndtv

 

 トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と正式に認定、米国大使館をテルアビブからエルサレムに移転する方針を表明したのは昨年の12月である。パレスチナ側からの反発や外交上の影響を懸念して、当初移転が決まるのに数年かかるとされたが、予想以上に早く、1948年にイスラエルが独立宣言した5月14日(70週記念日)に移転することになった。

 

 現在エルサレムにある米領事館に建設される別館が暫定的な大使館となり、現在テルアビブにある大使館は支部となる。新しい大使館の建設予定地が決まるまでに段階的に移転が進められ、2019年末までには移転が終了する予定となっている。

 

 

大使館移転に民間支援

 大使館移転に関して、2016年の大統領選でトランプ陣営への大口献金者であった実業家のシェルドン・アデルソン氏(ホテルやカジノを運営しているラスベガス・サンズ会長)が移転コストの一部負担への支援を表明しており、国務省と司法省は検討を始めた。しかし、アデルソン氏はイスラエルのネタニヤフ首相の支持者でイスラエル左翼派との深い関係があるため、大使館移転に批判が多いなか、トランプ大統領がイスラエル寄り外交を行っているとの批判が高まる可能性がある。

 

湾岸諸国首脳との会合

 3~4月に渡り、アラブ湾岸諸国のサウジアラビア、カタールとアラブ首長国連邦からの首脳がトランプ大統領と会合を予定している。3月中旬にサウジアラビアのサルマーン皇太子、3月下旬にはアブダビ首長国皇太子、4月にはカタールのタミム首長が米国を訪問して首脳会合が開催される。

 

 2017年の6月に始まった湾岸協力会議(GCC)の加盟国であるサウジアラビアとアラブ首長国連邦の「反カタール」問題の解決が話し合われると思われる。これはいまだにカタールとの国交断絶状態にある状態への正常化に向けての米国仲介ともいえる。

 

 

中東和平に進展の兆しか

 しかし一連の会談では、カタール問題よりトランプ政権が重要視する中東地域におけるイラン勢力の拡大、イエメンやシリア紛争、パレスチナ・イスラエル問題が主な討議になる可能性がある。5月に大使館移転を控えての湾岸諸国首脳会議でトランプ大統領が湾岸諸国の理解を得られるかどうかで、パレスチナへの圧力が高まり中東和平が前進するかが決まる。