人間にも磁気検知能力〜第6の感覚

01.07.2016

Photo: Getty Images

 

カルテックの研究によれば、人間は無意識に磁場を感じておりそれが第六感の科学的根拠だという。研究グループは電磁波の侵入を防ぐファラデーケージと脳波モニターを用いて人間のアルファ波が磁場に反応することを見つけた。

 

今回の実験では薄いアルミニウム・ケージの外側に均一磁場を発生するメリットコイルで覆ったファラデー・ケージを用いた。24名の被験者は完全に電磁波を遮断され磁場のみを感じる空間に置かれ、アルファ波への地球磁場シミュレーター(回転磁場)の影響が調べられた。

 

 

時計回りに磁場を回転していくとアルファ波が低下し、磁場を検出していることがわかった。このことで人間に磁場を感覚が備わっていることの証拠とされる。また時期検出後の数100m秒で(脳が働いて)その効果が消し去られることも明らかになった。磁場の回転が反時計回りであった場合には検出されず、下向きにのみ反応することから、地球磁場に対して適応していることがわかる。

 

 

もともと渡り鳥に備わっている磁気検知能力(下図)は人間にも第六感として備わっていたが、進化の過程で使われなくなっていった。しかし動物の磁気検知能力を広範囲に調査した結果、犬、狐、クマなどにも磁場を感知する分子(クリプトクローム)(注1)が眼球に存在することもわかってきた。

 

 

Source: Biosensors 2014, 4(3), 221

 

 

カルテックの実験結果は何度でも再現できることから、第六感として「人間に備わった能力であると結論できる。

 

 

専門家の中には磁場を検知する能力は鉄を含む鉱物やマグネタイトを羅針盤のように機能するとする意見や、虹彩中に含まれるクリプトクロームに起因するとするなど様々ながあった

 

(注1)虹彩中に含まれるたんぱく質で磁場を感じる能力を持つ。

 

 

 

Source: discover