西アフリカでエボラ出血熱に感染が確認された医療関係者は、10月8日時点で400人以上、うち233人が死亡したとWHOは発表している。その内、16人は西アフリカ以外の国からで、ほとんど出身国に搬送され、自国で治療を受けている。しかし、その国での感染が拡大する危険性はエボラ出血熱の対応ができる医療設備と訓練された医療スタッフが整っている病院があるかにかかっている。
西アフリカ以外でエボラ出血熱の患者の治療を行っているのは、米国、フランス、英国、スペイン、ドイツ、ノルウェーの6カ国である。
米国 救援隊員 8月2日 回復
修道士 8月2日 回復
医師 9月5日 回復
医師 9月9日 治療中
リビリア人 9月30日 死亡
テレビ局カメラマン 10月6日 治療中
医療従事者 10月11日 治療中
フランス 看護師 9月19日 回復
英国 看護師 8月24日 回復
スペイン 修道士 8月7日 死亡
牧師 9月22日 死亡
看護師 10月6日 治療中
ドイツ 医師 8月27日 回復
医師 10月3日 治療中
UN医師 10月9日 死亡
ノルウェー 救援隊員 10月6日 治療中
それぞれの国においても、一カ所ではなく、数カ所の病院で感染者の治療にあたっている。問題は、エボラ出血熱のようなバイオセーフティー・レベル4対応の医療設備が整った病院であれば、2次感染の危険性はほとんどないが、レベル3以下の病院ではエボラ感染者の治療を行う際に.感染リスクがあることである。
アメリカでは、バイオセーフティー・レベル4の病院は10カ所あるのに対し、スペインではレベル3以下の病院が1カ所しかない。そのため、当初エボラ感染者の受け入れには、医療専門家の間で治療は困難で、2次感染による感染拡大の危険性があるとの意見があがっていた。
アメリカにおける2次感染
10月12日にアメリカ、テキサス州でエボラ出血熱により死亡した男性(5日前)の治療にたっていた医療チームの女性看護師1名が、2次感染したことが明らかになった。この看護師を含め、70人がエボラ患者の治療にあたっていた。看護師は防護服を着用していたにも関わらず感染したことは、病院での感染予防の手順に不備があったのではないかといわれている。CDCは、スペインの看護師と同様、防護服や手袋などを脱ぐ際、体液が体に付着した可能性があるとしている。
看護師は14日に、エボラ出血熱から回復したKent Brantly医師の血液の輸血を受け、状態は安定していると報道されている。現在、3次感染の恐れがあるため、看護師との接触があったとされる関係者は隔離されている。