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カリフォルニア州サンバナデイーノの銃乱射事件の容疑者でISメンバーのシド・リズワン・ファルークの捜査のため所持していたアイフォーン5cの情報を調べるためにセキュリテイ解除を含む捜査協力を要請した裁判所に対し、アップル社CEOのテイム・クックはFBIにアイフォーンにバックドアを提供することになるとしてこれを拒否した。
クックCEOによるとFBIに敵意がある(注1)わけではなく、こうした(セキュリテイ解除の)要請が前例のないことで個人情報保護の立場から拒否したという。
(注1)アップル社のアイフォーンにはNSAが個人情報を抜き出すバックドアがるとして騒動があった。中国製PCや携帯電話にバックドアがあるとされている中でNSAの携帯盗聴事件が発覚している。2008年にNSAはアイフォーンの個人情報を得ることが可能であったことを示す証拠が示されている。
クックCEOはこれまでFBIに対してはアップル社がやれるべき(合法的)範囲では協力してきたが、今回は我々が個人情報保護のために危険な行為(バックドア)の要請だったため拒否したとしている。
FBIの要求はアイフォーンOS(iOS)にFBIが情報を抜き取るためのバックドア機能を追加するようにとのことだった。これまでアップル社はiOSのバージョンアップの際に情報管理の脆弱性をアップグレードして正すようにしてきたがバックドアの設置はその姿勢に反する。
この機能が組み込まれると悪意を持つ第三者がそのアイフォーンにでも侵入して情報を読み取ることができるようになってしまう。従ってアップル社としてはすべてのアイフォーンユーザーに危険性を押し付けることになる重大な行為になるとしている。
この判断は米国民の多数の支持を得ている。一見すればまともな判断でさすがと思わせるのだが、それなら2008年にNSAがセキュリテイを破ることができた事実はどう説明するのか。またNSAには協力できてFBIにはできないというのだろうか。問題が山積みの情報セキュリテイの氷山の一角が現れたというべきだろう。
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