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最近日本でも話題になっている外国人労働者の受け入れで、政府が特に積極的に受け入れているのが、「高度人材」と呼ばれる優秀な外国人である。その名の通り、高度人材は高い技術を持ち、専門性の高い職種に就いている外国人を指すのだが、お手本となるのが米国の外国人技術労働者に広く使用されているH-1Bである。この特殊な技能労働者受け入れのビザ制度に関するトランプ政権は資格の見直しを行い、米国の大学を卒業した学位を持つ人々に高い優先度を与えた。
毎年約85,000人の外国人がH-1Bビザ制度で米国に入国が許可されるが、この見直しで米国の修士号以上の外国人労働者の雇用が有利になる。この見直しはシリコンバレーを中心とするハイテク業界が移民の熟練技術者を必要としていることのほかに、一部のハイテク巨人やアウトソーシング会社がこのプログラムを利用して賃金を下げ、米国の従業員採用に不利な現行制度を改める目的がある。
例えばインドからの熟練計算機専門家はH-1B制度の下で米国のビザ保有者の最大のセグメントを構成している。1990年から実施されているH-1B制度は、看護師やパティシエなど、さまざまな熟練した職業に適用されてきたが、近年では3分の2が計算機関連の仕事に就き、その4分の3がインド人従業員である。最長6年間滞在できるH-1Bビザを持つ在米インド人技術者は50万人を超えると推定されている。
しかし大手のハイテク企業やアウトソーシング企業が、賃金を抑え、場合によっては米国人従業員を追い出すために悪用されていることも事実で、典型的なH-1B制度で入国した外国人技術者が、アウトソーシング業者を通じて非正規職員として働いている。実際、シリコンバレーの大手IT企業オラクルは、H-1Bビザ制度を使用して賃金を引き下げ、米国人を差別したと非難されている。
オラクルは米国国民よりも低賃金のH-1Bビザ技術者採用して差別したとされる。見直し後の新規則では、H-1Bビザでは最初に65,000が選択され、続いて20,000が選択される。当局者は、これで米国の大学の最終学歴を持つ上級学位取得者約5,000人が採用され、16%の増加が見込まれる予想している。
改革案は賛否両論で、外国人の締め出すことより、より多くのアメリカ人の雇用について考えるべきだいう意見もある。移民の国米国の発展を支えているのは外国人技術者だけではない。米国の基礎科学は空洞化が進み、上級職員を除いてアカデミックポストの外国人ポスドクによって支えられている。
しかしポスドクの多くは、スキルアップと自国でポストが得られない期間をしのぐ目的で、渡米しているため契約終了で帰国する。また最近の米中関係の冷え込みで中国政府は中国人ポスドクを呼び返しており、長期在米資格がないと引き止められない弱みもある。実態は高度な職業技能を持つ人材を囲い込み、米国企業に採用させるための入国管理法の改革となるH-B1ビザ制度の改革の効果がどうなるのかは不透明だ。
H-1Bビザと並んで米国が優遇するのはEB-5投資永住権制度でこちらは富裕層を優遇する。アメリカでは、移住権の取得には従来のグリーンカードの申請とは別にEB-5プログラムを申請する。これは米国移民法による政府公認プログラムで、条件を満たせば永住権を取得、アメリカ人と同様の生活、教育、基本権利を受けることができる。これには50-100万ドルの現地投資と10名以上の米国人雇用創出が必要となる。EB-5投資永住権制度はH-1Bビザ制度に続いて1991年に施行され、米国への投資の底上げに寄与したが、採用されたのは85%は中国人である。
高度技能労働者は米国学歴取得者を優先して囲い込む一方、富裕層には永住権を与える代わりに投資を要求する。米国を支えてきたのは貧困と束縛から逃れようと、自由を求めて新天地にやってきた人々である。しかし現在は移民受け入れの目的が高度技能労働者を囲い込む巨大IT企業の優遇と外国人富裕層の投資に変質したといえる。
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