星ひとつの評価にご用心

Credit: jennettefulda

 

amozonに限らず誰でも評価を下せる時代であるが、この一見すれば究極の民主主義とも取れる星の数の評価がとんでもないシステムであることに、今頃になって気がついた。

 

それは例えば自分の本の評価を見ていくと、星ひとつという厳しい評価によって、せっかくの5つ星評価から星が消えていくこと、自分が購入して満足して使っている製品を貶された時、など様々である。ちなみに食べログでは星ひとつ評価をしても調整されるせいか全体評価に影響が出ないという話も聞く。

 

しかし中には許せない星ひとつの評価者がいる。

今回の評価者はamazonで購入しないばかりか、所有すらしていない製品(9,000円)が価値のないもの、と断言する。

 

amazonの評価者の中には最初に「amazonで購入しませんでした」、と前置きしてコメントを書く人が結構いる。しかしこの方はこの製品の機能のエキスパートであることを断った上で、店頭実演を見て(おそらくキッチン用品なので味見をして)、機能自身に問題はないことを確認した上で、「9000円の価値はない」、と断言する。

 

それはその方の価値観であり、9000円の価値を認めて時間をお金で買う類の多忙な生活を送る若い世代にとってはそうでないのかもしれない。確かに手を動かせばすむものを電動化してお金をかける、というのが馬鹿馬鹿しい、という考えもあるだろう。

 

それならそれで買わなきゃいいんじゃない、のではないか。また購入してから期待外れで評価が低い場合もあるだろう。そういう場合はたまたま不良品で、全製品の不具合でない場合が多くても星が減っていく。

 

 

書評については書店で立ち読みしただけでわざわざamazon評価を送りつけるとなれば立派な営業妨害だ。

 

話を9000円の製品を「価値がない」、と言い切る女性に戻す。世代(時代)で価値観は変わるのだが、それについていけないと「価値がない」と言い切る。自分も歳を重ねるにつれて経験値も増え、何かしら欠点を見つけては文句をつけているのではないかと考えるとゾッとする年寄りである。

 

 

星ひとつをつける人にはご用心。自己中心で時代についていけない人がすること。それは否定することで自分の存在を示すことなのだろう。

 

そんな風にはなりなくない、と思わせてくれたこの女性に感謝したいと思う。