Photo: Berkely Haas
中国に少し長くいるとある奇妙なことに気がつく。筆者のいるのは大学だが昼に皆騒ぎながら昼食に学食に出かけるのでオフイスの窓の外が12時きっかりに騒然となる。
学食はいくつかに分かれているがスタッフが利用する学食はバイキングで料理も豊富。学生たちと教職員は別の席で食べる。食事中は食堂全体が蜂の巣をつついたような喧騒に包まれる。朝食は早餐といって中国版コンチネンタルブレックファストというか、卵、粥に肉まんといった簡単なためか、昼によく食べる。
さて1時をすぎるとなぜか静かになるのだが1時30分から2時、人によっては2時30分まで建物が異様な静けさに包まれる。この時間帯に廊下を歩くのは筆者だけになる。友人教授の部屋を訪ねるとしまっていて中が暗い。怪しい。戸を叩くとドアが開き、眠そうな顔が現れる。
なぜか不機嫌である。学生の部屋にいくとここも薄暗く人の気配がない。しかし学生たちはデスクに突っ伏している。気分でも悪いのかきくと怪訝な顔をされる。そこで思い切って聞いてみた。この時間帯は何なんだ?と。答えは簡単だった。中国人は昼寝をする大事な時間帯なのだ、そうだ。なるほど。
日本でも企業の中には昼寝部屋を用意しているところがあるのは知っていた。スペインのフイエスタもわかる。そこで歩き回ってみると誰もが昼食後のこの「魔の時間帯」を寝て回避していることがわかった。ちょっとみると夜遅い時間の通勤電車のようだ。
全ての工場でも同じだそうだ。これが午後も働ける秘訣らしい。なるほど、社会活性化にはうれしい習慣かもしれない。第一、安上がりだ。
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