JAL機のエンジン故障はパニックに値しない

Source: winnipeg richardson international airport 

 

JAL機の右エンジン(No.2)の不調で緊急脱出の必要はなかった。筆者はそう考えている。機長の判断ミスと思うが、それ以上に驚いたのは乗客の中に恐怖心を煽る人物がいたこと。

 

確かに室内の湿度、温度調節にメインエンジンの排熱が使われるので、不完全燃焼時の排ガスが混じって焦げ臭くなったと推測できる。しかし焦げ臭いからと言って畿内に火災が生じたのか空調経由なのかは機長がCAに指示して調査しなくてはいけない。

 

またエンジンNo.2の様子もレポートさせたのだろうか。飛行中にあってはもしNo.2に火災警告が出ていたらシャットオフし、消化するのと同時にNo.1の出力を最大にあげ、機体の姿勢を調整しながら緊急着陸の手順に入るが、地上における不調でこのようなパニックになることが理解できない。

 

風上に向かって離陸するので、タキシイング中はエンジンは風下に向いているはずで、突風でエンジンが止まったと言うのであれは嘘をついていることになる。氷着もいつの時点で着いたのかわからないはずだが、エンジンが止まった直後はエンジンの熱で氷着は起こらないのではないか。そもそも北米の空港ではこの程度の気象変化は日常茶飯事で、数時間閉じ込められることは珍しくない。Deicingと呼ばれる作業を行うためである。ブリーフイイングでの気象のチェック能力も疑いたくなる。凍結防止はやっておくべきだった。そのための遅延は安全の優先のためだから納得してもらうしかない。

 

報道では幾つもの矛盾点がある。
基本的に、機体が損傷する可能性がなければ、外に出るリスクが高いため緊急脱出はさせないはずである。機長が権限を持っているから、緊急脱出の指示があったのであれば、機長の判断ミスと言わざるをえない。No.2エンジンに火災警報が出ていたのかそこが問われるべきだ。また自己調査結果の発表は経験のある広報が行うべきであるが、現場には担当責任者は行かずに調査員に広報を代行したこともおかしい。


乗客が故意にパニックを引き起こさせる行動を取った場合、航空法で罰せられるはずだ。乗客のモラルも問われないといけない。今回、パニックを引き起こした戦犯は2名の乗客。一人は「怖い」と大声で叫んだ中年女性、もう一人は「ヤバイ」と大声を出した中年男性。いい歳して冷静さに欠けるこの2人で畿内はパニックになったとしたら迷惑な話である。


以前、ブリティッシュエアラインの乗務員がタキシイング中に故意にドアを開けてシューターを開いた事があったが、交換で百数十万円かかるとか言う報道を思い出した。そういえばシューター使用の際には下にCAがいて補助することになっていたはずだが骨折した女性にはどのような補助をしたのだろうか。

 

バックファイヤーで「怖い」と叫ぶ女性がスーパーカーのエグゾーストを見たら消防車を呼ぶのではないだろうか。こう言う人と乗り合わせたらそれこそ「怖い」。メデイアにも責任があある。乗客が重軽傷と報道したのだから。こういう報道をする人間はメデイアに向いていないと思う。また機種(737-800)を報道したメデイアはいなかった。