アメリカの若者は親と暮らす

Image: FRB of St. Louis


親離れしない子供達が一時、日本で話題になった。中には引きこもりもいる。仕事や学校にいかずに、親のつくる食事を食べたら、あとは自分の部屋に一直線。


親も親で過保護だな、と普通に考えたらそういう家庭は増えているときくが日本の特有の風潮だと思っていた。


まあきっかけがイジメだとすれば、日本ではよくあることなのかもしれないと思っていた。一方でアメリカの場合は田舎で高校をでたら故郷と別れて都会にでて自立するのが普通だった。


親は手助けするといっても古い車をプレゼントするとか、駅まで送り届けるとかたかがしれていた。


あるときコネチカット州の不動産をしているホームステイ先のおばさんが売りに出ている高級住宅を案内してくれた。コネチカットはニューヨークの富裕層が家を持つ富裕層が多い州としてしられる。案内して見せてもらった高級住宅はみな平地ではない丘を背にして立っている落ち着いた趣であった。


そのときいっていた言葉がき気になっていた。若い世代は買うことができない。Morgageを払えないのだといっていた。


そして20年後。上の表をみてほしい。半数の若い世代が親と暮らしているのだ。州ごとに違いはあってもほぼ半数が親と同居なんて考えることもできない。


そういえば田舎からブロードウエイを目指して旅行鞄ひとつで出てきた女の子の映画がたくさん生まれたのもその頃。


今の若い世代は親と暮らすのがせいいっぱいのようだが、こうなると独立心や成功を夢見て故郷を離れて都会を目指す成功物語と縁遠い世界である。


そう思うと日本の親元を離れようとしない若者をとがめるのも不自然だ。スターバックスに通いスマホを使い倒し、友人と外食する。こうした普通の生活は若者に独立の機会を奪うほどお金がかかるというわけだ。


ローマのスペイン坂にいくとカップルがこしかけて楽しそうにおしゃべりしている。噴水で遊ぶのも坂道に腰掛けるのも無料だ。いつから何をするにもお金がかかるようになってしまったのだろう。


親と同居していたら自由はない。しかし衣食住は保証されるからそちらを選んだというわけなのだろうか。