エアラインの女神たちーその3

CNBC

 

American Airline(AA)はJALのパートナーでもあり本拠地ダラスを経由して全米各地に路線を持っている。特に直行便がコンチネンタルに限られるマイアミ行きでは選ばざるを得ない。またAAは南米への路線を持ち南米のエアラインも乗り入れているので南米行きの場合にもダラスは中継地点になる。日本から米国行きの場合、接続に関しては圧倒的に同一エアラインが有利なので、今回は成田ーダラスーマイアミを乗り継いだ。

 

ダラスではAAが絶対有利

まず国内線ターミナルのほとんどはAAである。ダラスはアメリカの空港としてはターミナルは多いが各々はこじんまりしていてターミナル間が近い場合は結構便利である。カフェやバーなど日本にいるのでは?と思うほど込み合っていて、テンガロンハット(テキサスでは男子の正装)をかぶった大男が椅子からはみ出して座っているのはなんとも滑稽である。国内乗り継ぎでもダラスでパスポートコントロールを通る。

 

その後で国内乗り継ぎの場合、ある地点で行き先を聞かれ乗り継ぎ便をいうと係員が乗り継ぎ便のバゲッジチェックをしてくれる。このサービスは色々なパターンがあるようだが筆者の場合は、移動中に職員らしき黒人が近ずいてきてバゲッジを預けた。イタリアだったら断って自分で持って行っただろう。

 

 

マイアミで日程を間違える

日程はしっかり頭にいれておくべきだ。筆者の場合は仕事が終わり一息いれたいと思ったのだろう。昔訪れたキーウエストに急に行ってみたくなり、1日使って日帰りでヘミングウエーの愛したフロリダの先端にあるこの島を久しぶりに訪れた。

 

マイアミからキーウエストへの道は大部分が海の上である。途中にも美しい海と白い砂が対照的なポイントがたくさんあるが、なかでも映画で有名になったキーラーゴは印象的な海岸の街である。有名なSeashell Factoryも近くにあるので立ち寄ってみたい。クルーザーの母港で富裕層のリゾートが海岸に立ち並ぶ様子は壮観である。

 

キーウエストは小さいので楽に歩いて一周できるサイズ。観光客はヘミングウエイの家や彼が愛したバーを訪れればあとは岸壁にいくしかないので、最南端のランドマークがある岸壁はアメリカでは滅多にみない人混み(シーズンのコニーアイランド並みといえばわかるだろうか)で、いまにも岸壁から落ちそうなくらいである。キーウエストの夕暮れは絶景で時間の経つのも忘れるくらいだ。

 

 

空港でパニック

次の日は朝早く起きて空港のAAカウンターへ向かう。便名をいうと怪訝な顔をされた。昨日の便だったのである。通常は国際間フライトの次の便は翌日以降になるので覚悟した。しかしグラウンドサービスの彼女は笑顔で他のエアラインを含めて調べるからちょっと待って、という。しばらくの間端末に張り付いた彼女はブラインドタッチで打ち込み画面に集中していた。相当な時間が流れたあと、こちらを向いた時の笑顔は得意げだった。

 

価格が同じで別のフライトが用意できますとのこと。タネをあかすとコンチネンタルのように周何便かマイアミに路線を持っていないAAはダラスーマイアミ国内便とダラスー成田国際便を組み合わせている。成田便は毎日あるので苦労して組み合わせを考えて結果、マイアミー成田間がつながれたのである。

 

このときの彼女のすごい点はブラインドタッチと画面の目視の集中度の高さ。それと絶やさなかった笑顔。「おもてなし」の日本だが接客中にちょっとでもマニュアルにかいていないことを頼むと目がつり上がる女性を多く見てきた筆者にとってAAの彼女はエアラインの女神に間違いないと思わせた。

 

AAに乗ると色々なことを学ぶことができるので楽しい。あるとき隣の米国人がPCをだしたかと思うとかかがみこんでシガーライターと同じソケットから電源をとってDVDをみていた。その頃はまだPCバッテリーを気にして使っていた時代である。さっそく調べてみたらアメリカ人の多くは車でシガーライターからPC電源をとるので、シガーライターソケットと各種PCの電源コネクターの変換が可能なアクセサリーが販売されていた。それ以来筆者も米国行きのAA機内でPCをフライト中通しで、使えるようになった。たいていはPCバッテリーの長持ちを自慢するような時代だったのでこれは快適だった。ちなみにJALビジネスでは各社のバッテリーをフル充電して乗客に配っていた。今では12時間持つバッテリーを備えるMacbook Airを持てばよいだけの話であるが...

 

 

AAの米国内路線のランチはアルミフォイルに包まれたサンドイッチの場合がある。搭乗時に選べることもある。TurkyとかChikenとか表示してある。米国人は真面目にサンドイッチをもらっていく。日本でもLCCだったら搭乗時におにぎりを販売したらいいのかもしれない。最後にAAは家族連れに優しかった。911の前は西部路線ではコックピットのドアを開放して飛行したり子供をコックピットに招いたり、のんびりした時代だった。そういえばAAのCAにテンガロンハットをかぶっていた子を見たような気がする。