危険なローパス(低空飛行)の理由

 

ロシアの航空ショーでは超低空飛行が呼び物になっている。写真をみてほしい。地面との距離はどうみても3mほどである。ここまで頑張る理由は何か。

 

筆者はこの過激さについて思い当たるのは、ロシアの戦闘機は古くはミグ設計局の独壇場でありMIGシリーズの戦闘機が正規軍に採用されるのが当たり前だった。

 

しかし最近ではスホーイ設計局の戦闘機、Su35をはじめとする一連のスホーイ戦闘機の活躍が目立つ。現役としてSu-24、Su-25、Su-27、Su-30、Su-33、Su34、Su-35の7機種がある。

 

スホーイが存在感を持ち出したのはF15に対抗したSu-27あたりからだろう。西側諸国には「フランカー」の名前で知られているが、それ以降も機体の構造はよく似ているので機種を判別しにくいほどである。

 

一方、ミグ設計局のミグシリーズは朝鮮戦争で有名になったMIG-1515あたりから頭角をあらわす。アメリカの爆撃機に対抗する防空戦闘機として開発されたMIG-25フォックスバットは当時世界最速のマッハ3の飛行が可能であった。その後もMIG-27、MIG-29、MIG-31、MIG-33、MIG-35を開発した。

 

写真のMIG-35はファルクラムFのコードネームで2017年から配備が予定されている多目的戦闘機。しかし財政難から生産機数が少ないこともあり輸出に力をいれている。

 

危険を顧みず危険な超低空フライバイでアピールする背景にはスホーイとの確執があり、また輸出を狙う思惑がある、というのは私の解釈である。

 

興味のある人は下の動画をみて危険度を認識してほしい。