飛行機に乗る楽しみは普通は機体前方と下部に取り付けられたエアカム、TVモニターで地上の景色や離着陸時にパイロット気分を味わえることである。
ここでエアラインのメンテの実力がわかる。というのも細かいところまでケアされている機体ではレンズがきれいでイメージがクリアだが、ひどいところはレンズが曇りカメラが焼き付きでハレーション起こしたままである。
そんなところを気にする客も多くはないのであるが、やはりモニターのメンテをきちんとしているエアラインは他のメンテもちゃんとしているのだろうと、安心することも確かだ。
例えば南方に向かって飛ぶと小さい島々が連なり島国を実感するし、北米の広大な地形、大都市の夜景、ハイウエイの車の列、クレーター、など飽きることがない。
そんな私にとってA380のエアカムは特別ありがたい。垂直尾翼の前方にもう1台カメラがあってその視点はまるで垂直尾翼に降り立った鳥のようだからだ。
自分のいる場所は主翼の前方でそれを見下ろす不思議な体験。雲の上を優雅に飛ぶ巨大なA380が刻々変わる雲の絨毯の上にいる。
離着陸時特に地上にいる間はタキシーの様子が手に取るようにわかるから、慌てる必要はない。
とにかく楽しい。プッシュバックして空港から離れていく瞬間が(個人的には)自由を感じる。煩わしさから自由な大空に放たれることを実感できるからである。
スカイマークが手に入れていたら国内唯一の機体になるはずだった。A380に乗る機会があったらぜひモニターをチェックして鳥になった気分を味わって欲しい。
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