犯罪区42nd Streetはいま何処に

 

 映画にもなったNYCの"42nd street"はかつて(70年代後半)犯罪区として少なくとも観光客にとっては恐れられていた。


 地下鉄の駅は上の写真のような感じである。つまり黒人街なのだ。地下鉄に乗っているとこの駅に近づくころには自分の周りは黒人しかいないことに気付く。ここで下車することは相当の覚悟がいる。


 表にでればこれまたすごい。通りはしかしブロードウエイの交差点から歩いていくと迷い込んでしまう距離にあるのに、住む人も通りにたむろする黒人も別世界であった。当時はまだ実質的には人種差別があった。しかしこのゲットー地区に犯罪に最も近い人間を閉じ込めることには成功していた。


 グレイハウンドで東部に行くにも、北に車で行くにもこの地区を通る。グレイハウンドのバスは外から中が見えないようなスモークになっている理由がよくわかった。車ではそうもいかないのでここを通り抜けるには決して停車しないように、走り続けるように、といわれた。


 それでもゴツンという音。石を投げられたのだ。


 犯罪都市の汚名を返上しようとするNYCの政策は功を奏し、1990年には2000件以上あった年間の殺人件数は2012年には412件と、東京の4倍程度にまで下がった。


 観光都市にはあってはならない部分だったからだ。当時の観光客がきかされたのはお金を持たずに外出するな、である。"Mugger"にあった時にお金がないと怒って殴られるからだ。


 しかし当時はある一線、例えばNYCだったら42nd streetへ行くな、でありシカゴだったらSouth sideに入り込むな、という明確な約束事を守りさえすれば、安全で安心できた時代でもあった。


 安全安心は大きく様変わりして、いまではそうした場所が狙われる。どちらが良かったのか複雑な思いに駆られる。