映画「ゴールドフインガー」は007シリーズの第3作であるが、後のシリーズを導くマイルストーンであった。
公開時は中学生であった筆者を含む多くの若者を虜にしたショーンコネリー演じるジェームスボンドは今の言い方をすれば「濃い」キャラクターだが、ボンドカーアストンマーチンのデビューもあって1964年の興行成績No1であった。
「殺人許可証」を持ち絶世の美女を虜にし、世界を駆け巡って悪を倒して行く。当時を思い出しながらDVDで再びみることにした。
明らかにこの映画の世界的ヒットによって当初のスパイヒーローの暗躍から、サンダーボルト作戦のようなスペクタクルアクション映画へ発展するきっかけ、資金を得た。
アストンマーチンはボンドの身の回りと同じ趣味の良さを持つと同時に、英国のスポーツカーの宣伝としてこれ以上のものはなかったであろう。
追跡する悪党をことごとくやっつける装備は同じく英国でつくられたサンダーバードにでてくるペネロープのロールスロイスに共通するが、こちらは1965年の作品なのでボンドカーにオリジナリテイがある。
アストンマーチンDB-5は進化して新型を手に入れることもできる時代だが、当時のモデルは内装が凝っていて、高級な木目のコンソールに憧れたものだ。
この作品にはもう一つ注目すべきことが描かれている。ゴールドフインガーは米国の陸軍によって堅固に守られた金の保管庫。フォートノックスの金を核で汚染させ金価格をつり上げることで自分の金の価値を高める、という非常に頭の良いアイデアを考えついた。
金は重くて運べないが一カ所に集まった金を汚染させれば10万年は価値が沸騰する。金を独占することが可能なのである。
現代にゴールドフインガーが生き返って、この作戦を実行したら驚くに違いない。金と思って核汚染したものは金メッキしたタングステンだった。タングステン相場は変化しない、金も変化しない。何も起きないからだ。紙くずの紙幣とコンピューターの数字は影響を受けなかったということだ。
ボンドガールはオナーブラックマンだったが、この映画をみる当時の男性を虜にした。
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