FRISK とK-9で薬物持ち込みは防げる

 

 オーストラリアの税関審査は厳しい。その一部始終を番組にしたのが"Borde Security"というTV番組である。

 

 幸いYou Tubeで公開さているので、検索すれば視聴が可能だ。一度見て欲しい。パスポートコントロールと税関・検疫審査が連携していない成田空港のセキュリテイ度が異常に低いことを実感するだろう。

 

 税関審査が厳しい国はパスポートコントロールとセキュリテイチェックラインのX線透視と係官の眼力、麻薬犬K-9の嗅覚が全て連携しているのだ。

 

 成田空港ではパスポートコントロールは形式的で「お帰りなさい」という検査官に違法入国を逃さない、という気迫は感じられない。成田から日本に入国する人は基本的に「お帰りなさい」の日本人向けなのである。

 

 本来は国を守る水際作戦の要なので、疑ってかかる、必要があるのだ。

 

 ところが厳しい場合はこうなる。パスポートコントロールーキュリテイチェックー税関審査が一体になっている。パスポートコントロールで怪しい渡航歴のある人間は質問されて答えが曖昧だとFRISK searchという身体検査を受ける。

 

 成田でもランダムにこれを受ける場合もあるが、人体への触り方からして外国の比ではない。同性の係官でも微妙なところに容赦ないタッチがあるのは外国では当たり前だが、怪しいのに何もでないと、病院で検査され体内に隠し持った薬物を摘発できる。

 

 また質問が曖昧だったり挙動に不審な点があると、即刻荷物の検査と所持品検査となる。ここで秘密兵器が登場する。Atmizerと呼ばれる質量分析機である。あらかじめHeroin、Cocainなどの麻薬やエフェドリン、LSDなどの薬物のデータベースが入力されていて、極微量でもアラームが鳴って検出薬物が表示される。

 

 セキュリテイラインにはK-9がうろうろしていて嗅覚は騙せない。麻薬を嗅ぎつけるとK-9は接近して確認すると「おすわり」をするように、訓練されている。

 

 米国の場合にはこれにTSAスキャナーというテラヘルツ透過システムがあり、ガス室のような小部屋に立つと、一瞬で衣服が用をなさなくなる。

 

 行き過ぎたFRISK searchはハラスメントであるが、最近の薬物事件の増加は国内に流入する経路を立たなければダメだ。それには空港のパスポートコントロールと税関審査の間にセキュリテイラインを設け、K-9とAtmizerを配備するだけで良い。

 

 本当に薬物を断ちたいならこれをやるべきだ。それとも薬物のある程度の流入がある種の団体の資金源になることを黙認する必要があるなら別だが。