グルノーブルのテロ未遂事件に巻き込まれる
























 グルノーブルは移民の多いフランスでも特に人種のるつぼである。ひとつの理由は欧州の共同の研究施設が多いので、世界中から研究者が集まる国際学術都市であることもあるが、実際の理由はスイスやドイツ国境に近いことと、住み易いつまり生活しやすい環境にあるのだろう。


 写真のスシバーを筆頭に各国のB級グルメレストランが軒を並べるが、中でも川沿いのイタリア街は格安で食事ができる。店には上の写真のように明らかにイスラム諸国からの移民が多く、テロリストが身を潜めるには格好の場所といえる。


 私はあるときここからTGVでシャルルドゴール空港に移動して、そこから日本に飛ぶ計画でいた。


 駅についてTGVに乗るはずが、突然、車内に爆弾が仕掛けられたということで乗るはずの便がキャンセルとなった。


 新しい列車も爆弾の検査のため遅れに遅れていかにTGVといえども飛行機にのれるかどうか怪しくなって来た。駅の対応は極めて丁寧で、満足のいくものであった。TGVは迷惑料として1st Classの乗車券をサービスしてくれたが、そこでひとつの問題が生じた。


 最初に乗るはずの列車はドゴール空港直行だったが、乗る事になった列車はパリ北駅止まりだ。


 今ならスマホで切り抜けられるのだが、当時はパリ北駅からドゴール空港までの路線情報が車内では手に入らない。


 どうやってパリ北駅からドゴール空港に行けたのかはよくわからない。必死になれば人間は眠っていた能力を発揮するというが、まさにそうだった。


 パリ北駅には駅地下に小さな書店がある。そこで市内地図を買うことから始めて、ありとあらゆる努力をした結果、ぎりぎりで飛行機に間に合ったが、グルノーブルのテロリストによって私は何が起こるかわからないことを学んだ。


 それ以後、移動ルートには複数の候補を考えておくようになった。テロリストから学ぶ事もあるものだ。