COSTCOーエクスペンダブルズ

  

 映画「REDリターンズ」の冒頭のシーンにCOSTCOでブルースウイリスが買い物中にヤバい仕事を頼まれるシーンがある。REDというのはRetire, Extremly Dangerousの略で引退した諜報部員たちの活躍を描いたコメデイタッチのアクション映画だ。この監督はなかなかセンスがある。「エクスペンダブルズ」という消耗品として扱われるウイリスらの傭兵の映画に消耗品を格安で販売するCOSTCOをかけたのだ。

 

 COSTCOは量販店で大量に品物を倉庫のように積み上げて買い物客はアメリカンサイズのショッピングカートに自分で品物を放り込み、レジでは包装も袋もないのでカートで車のトランクと格闘することになる。このため駐車場の車の後部はバックドアパーテイ状態だ。

 

 COSTCOは会員制で年間4千円弱を払うが、それに値するショッピングをしようと思ったら相当な努力が必要だろう。しかし会員のリクルートを目的に年に何回か、無料入店可能なサービスを行っている。ただし価格に対して5%の上乗せを覚悟しなくてはならない。買い物をしすぎると5%にこだわってゴールドスターメンバーになり4340円を払うことになる。

 

 考え込む客に店員はすかさずいう。会員脱退時に4340円をお返しします。しかしこれだと1年間の期間の最後に脱退したら、年会費の意味がない。どこかに言葉のマジックがあることくらいいまの小学生でもわかる。

 

 安いのか、といえば確かにこんな感じである。(例えば、の話であるが)

 

 Kirkland(COSTCOのプライベートブランド)のStarbucks roastのコーヒー豆(907g)が1,648円。これをamazonで購入すれば2,330円。一見すると682円も安いのだが、amazonはprime扱いで送料無料で届けてくれる。

 

 高く積み上げられた品物の山はまさに人間が「エクスペンダブルズ」のように扱われている気がするのは私だけだろうか。ペリエのボトルなどは買い得だが、GMO食品に圧倒されて購買欲が萎える。

 

 売れ筋のBoseヘッドフォンやHPのノートPCも山積みで、電子機器のコモデテイ化が実感できる。家電製品では量販店では高値の花のダイソンも無造作に積み上げられているが、こちらはそう安くもならない。

 

 粗大ゴミになる品物の山の中に価値がある物がわずかだが潜んでいる。その他の日常品は売れ筋にKirklandブランドを巧みに配している。

 

 レジで驚いたのは、クレジットカードがアメックスとオリコカードしか使えないことである。VISAとMaster Cardという2大カードが使えない理由は何なのか。特定カード会社専属契約にうまみがあるのだろうが、COSTCOにAmex Gold Cardを持つ人が来るのだろうか。

 

 「COSTCOに来れば(REDならぬ)エクスペンダブルズになれる」、そんな気がした。