US25では黒いヘリに注意

  

 

 アルバカーキからサンタフェに行くにはUS25で北上する。制限速度を守れば2時間ほどでつく。サンタフェについては前にかいたが、全米屈指のリゾートタウンであるにもかかわらずまったくもって交通不便なところである。

 

 西部の旅の起点にアルバカーキを選んだ人は、この街にはモールがないことに気がつく。モールだけではない。とにかく50万の人が住むにしては何もなさすぎる街なのである。原爆開発の研究拠点ロスアラモスはサンタフェに近いので、サンタフェやロスアラモスから足をのばして都会へでようとするとこの街になるはずなのに。

 

 北へ向かうUS25の途中の風景は雄大な西部の景色が広がるばかりである。US25をサンタフェを通りすぎて北上を続ければコロラドスプリングスを経てデンバーにつながる。

 

 US25沿いにはロスアラモスやサンデイアといった軍事研究の拠点やArea51があるし、Roswellは南に少しくだったところである。こういう場所は秘密の研究をやるのに絶好のロケーションだと思った。

 

 US25にそってこの周辺を車で走り回っているうちに、ふと気がつくと頭上に黒く塗りつぶしたヘリが旋回している。Area51周辺では上空からの監視もきびしいのだ。

 

 ニューメキシコ州は地理的には東にテキサス、西にカリフォルニア、北はコロラドに囲まれてジャンクション的な要所なのに経済的には(原爆開発時代は別にすれば)、落ち込んでいるようだ。皮肉なことに軍事予算で一時は潤ったこの地域は、リーマンショック後の経済格差の著しい地域でもあったのである。