身近なCIAに注意しよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Naval Research Laboratory (NRL)は米海軍の研究所である。海軍最大の陸上施設、海軍工廠はワシントンDCにある。人気のTVシリーズNCIS (Naval Criminal Investigative Service)も昔はここにあった。バージニア州側からポトマック川にかかるウッドローウイルソン橋を渡るとすぐのところにある。つまり連邦政府関係ビルに近い。NRLは海軍の施設のため厳重に警戒されている。

 筆者の大学院の学生時代に話はさかのぼる。(大使館を通して)指導教官にNRLのある研究者Sを手伝うように頼まれた。Sは日本全国のその分野の研究グループのリストを作りたいと言って来たので、全国の大学、研究の担当者とコンタクトして紹介した。Sは全国各地にでかけていって半年程度かけて報告書をつくった。そのなかで筆者は米国大使館の彼の上司Fとにも紹介された。いつも合うたびに屈託の無い笑顔のSと対照的に、Fはトレンチコートに眼光の鋭い男だった。

 Sと知り合ったきっかけはコロラド州で行われた会議だった。趣味のアマチュア無線を共有していたこともあって、すぐに打ち解けて親しくなった。その後、筆者がSの住むワシントンDCを訪れた際に、NRLを案内してくれるという。NRLは紹介者が付き添いでなければ見学はできないのでお願いすることにした。研究所に入るとすぐにエジソンの銅像があった。きけば研究所の創立者はエジソンだという。

 案内されたのは世界中の気象情報が集まりそれらを分析して気象予測をする研究部署で、気象情報は海軍の艦艇の作戦に欠かす事ができない。そこでは見た事がない巨大なブラウン管表示装置に驚いた。見学が終わると家でバーベキューをやるから来ないか、と誘われた。Sは奥さんと一緒にグローサリーに立寄って材料を買い込み、庭園バーベキューが始った。

 古典的なチャコールを燃料としたバーベキューはベテランでも火を起こすのが一苦労だが、火を囲んで食べるまでの過程が楽しい。他にもお客が数名いて全員がビールでいい気分になった頃、筆者はSの周りの彼の客に声をかけた。「どこに勤めているのですか?」Sの客人はおもむろに答えた。「私が働いているのはCIAです。」なるほど、そういうことだったのか。Sが日本で情報収集をしていた理由が一瞬で認識できた。そういえば当時、日本の物理学会は軍関係者との関係を禁じていることを伝えたとき、Sは「大丈夫、NRLの代わりに大学の肩書きがある」と言っていた。ジョージタウン大学(写真)はNRL隠れ蓑だったのである。



 筆者が思い知ったのはCIA職員が大使館員として外交特権を持ち諜報活動を堂々と行っている事実である。その後の筆者は「大使館=諜報機関」と考えて行動するようになった。調査報告書を完成した後は、Sプロモートされ国際会議で見つけることはなかったが、風の便りに奥さんと離婚したと聞いた。CIAに情報提供はご免だが、いまとなってはバーベキューのひとときが懐かしい。

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コメント: 1
  • #1

    BBQ boy (日曜日, 21 9月 2014 17:53)

    誰とするかで食事には大きなリスクが潜んでます。特に気を許しがちのパーテイは要注意。気をつけないとハニートリップが狙っています。